立石駅北口再開発事業の一環として、葛飾区の新庁舎(東棟)の整備が進められています。9月には新たな建築工事費が示されますが、特に設備工事の大幅な増加が見込まれています。
これまでは建築工事費が上昇するたびに再開発組合が資金計画を修正し、その都度、区が取得する保留床処分金(区が庁舎を取得するために組合に支払う費用)の内訳を区民に示してきました。しかし今回は資金計画そのものを変更するものの、区の保留床処分金を据え置き、増額分を全て「予備費」(東棟分約11億円、東西共通その他約20億円、合計約31億円)で対応するとしています。
一見、資金計画上は区の負担が増えないように見えますが、実際には予備費を使うことで増額分が見えにくくなり、区民が本当に負担する費用が隠蔽されることになります。そもそも「予備費」は、不測の事態に備える資金であり、最初から工事費増額の対応に充てるのは異例であり、不適切な使い方です。さらに、東棟の建築工事費は物価スライド制が採用されているため、予備費を使ったとしても最終的には全額が区民負担になることは避けられません。
6月の総務委員会で私はこの問題を厳しく追及しましたが、泉山省吾・総合庁舎整備担当部長は「区の負担額を変えないことは組合との協議の結果である」と繰り返すばかりで、「組合が決めること」と説明責任を果たしませんでした。区が契約時点で区民が負担する保留床処分金を明確に示し、丁寧に説明することは、行政の透明性を守る上で極めて重要なことです。
11月には区長選・区議選が控えているため、区の保留床処分金を低く見せかけることで区民負担が増えない印象を作り出し、選挙対策をしているのではないかとの疑念が生じるのも当然です。
今後も区民の皆さんに説明責任を区が果たすよう、しっかり追及してまいります。