ー『東棟(庁舎棟)だけが物価連動、自動的に費用増の仕組みに疑問ー
現在、葛飾区は立石駅北口地区市街地再開発事業で新庁舎整備を進めています。この事業の総費用は現時点で1280億円で、区はそのうち庁舎部分を352億円で保留床を取得する予定です。しかし、建築資材や物価高騰などにより、この費用がさらに増加するリスクがあります。小林議員は議会で、この新庁舎の契約内容を厳しくチェックし、区側に以下の問題点を質しました。
【問題① 東西棟で異なる物価スライド条項】
再開発組合との契約案には、物価上昇により工事費が増加した場合、その増加分を区が負担する「物価スライド条項」が設定されていますが、その適用方法が区庁舎(東棟)と住宅棟(西棟)で大きく異なります。
○ 東棟(区庁舎部分)
国土交通省のスライド条項マニュアルに基づき、物価が上昇すると自動的に細かな項目ごとに費用が増え、その増額分を区が支払う仕組みになっています。
○ 西棟(住宅棟部分)
建設物価調査会が公表する指標に基づき、「必要と認められる場合に」工事費の変更を求めることができる方式です。そのため東棟のように、国交省基準によって自動的に詳細な項目ごとの費用調整が行われる方式とは異なり、あくまでも個別に必要性が判断される仕組みになっています。
さらに議会での答弁では、東棟と西棟がそれぞれ独立採算制であるため、この物価スライド条項についても別々に運用されることが明らかになりました。そのため、西棟はデベロッパーとの協議により必要性が認められなければ物価スライド条項が適用されない可能性もありますが、東棟は物価が上昇すれば必ず自動的に費用が増える仕組みになっています。
小林議員は「同じ再開発なのに、東棟(庁舎部分)だけが物価上昇に伴って自動的に費用が増える仕組みになっており、西棟(住宅棟)と調整方法が異なるのは不公平ではないか」と厳しく指摘しました。
【問題② 工事遅延の責任が曖昧】
また契約書案では、施工業者側の都合で工事が遅れた場合でも、区が追加費用を負担する可能性がある一方で、施工業者に明確な違約金や遅延損害金を請求する条項がありません。
このため小林議員は「区民の税金を守るために、施工業者の責任を明確にし、遅延時には違約金や遅延損害金を区が請求できるよう、明記するべきだ」と要求しました。
【問題③ 設計変更(VECD)の契約が不透明】
さらに区が工事費削減のため進める設計変更(VECD)が、区と再開発組合との協定書案には記載されていますが、再開発組合と施工業者との契約案には明記されていないことが判明しました。VECD契約が曖昧では、本当にコスト削減につながるか疑問です。
小林議員は「区民の利益を守るためにも、施工業者との契約にもVECDを正式に記載するべき」と強く要望しました。
これらの指摘に対し区は「契約内容の改善を検討する」と答弁しましたが、具体的な修正内容はまだ示されていません。今年6月には再開発組合との正式な契約締結が予定されています。小林議員は、今後も区民の税金が公平かつ適正に使われるよう、契約内容を厳しくチェックし改善を求めていきます。
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