新着情報
記事

葛飾区のがん検診での見落としの質疑・議事録①

【がん検診見落とし損害賠償請求の訴えの提起の報告】

(令和3年4月14日保健福祉委員会)

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 損害賠償請求事件について御報告いたします。この案件は個人情報が含まれているため、タブレットには掲載せず紙資料となります。庶務報告№1、健康部を御覧ください。

 次のとおり、損害賠償請求の訴えの提起がありましたので、報告するものでございます。

 1、原告の主張です。

 原告は、平成30年8月28日に被告葛飾区が実施する特定健康診査として被告病院において、肺・大腸・前立腺がん検診を含む健康診査を受診した。同健康診査における胸部X線の読影の際に、被告病院の医師が原告の肺腺がんを見落としたこと及びその後の原告の被告病院への通院の際に原告が訴えた断続的な痛みに対して被告病院の医師が精密検査等の適切な対応を怠ったことにより、原告の肺腺がんの病期が著しく進行したことによって原告が受けた損害の賠償を求めるというものです。

 2、訴訟の内容です。

 (1)事件名、(2)裁判所、(3)原告は記載のとおり、(4)被告は記載のとおりと葛飾区です。

 (5)請求の趣旨です。被告らは、原告に対し、連帯して、金9,942万4,753円及びこれに対する平成30年8月28日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。訴訟費用は、被告らの負担とする。仮執行宣言を求めるというものです。

 裏面を御覧ください。

 3、事件の経過は記載のとおりです。

 4、区の方針です。

 区は、葛飾区が契約し、被保険者となっている医師賠償責任保険の保険引受会社が指定する弁護士を訴訟代理人に指定して応訴いたします。

 報告は以上です。

【小林議員の質疑応答】

○(江口ひさみ委員長) これより個別に質疑を行います。

 初めに、日程第2、庶務報告2号、損害賠償請求事件について、質疑はありませんか。

 小林委員。

○(小林ひとし委員) 伺います。実は私は、杉並区のがん検診でこの見落としというのがあったのですけれども、それを受けて平成30年の第3回定例会で一般質問をしております。葛飾区ではがんの見落としがなければいいなという思いで質問させていただきました。まだ決まったというわけではございませんけれども、こういった訴訟になるということは本当に残念な結果であります。それで、その際に質問したのは、よその区もそうかもしれませんけれども、葛飾区は2人の医師で読影することになっているのですけれども、平成30年度については27の医療機関がこの葛飾区医師会の読影会に参加しないで自分の病院で読影を2人で行っていると答弁しているのですけれども、被告のこの医療機関も自らの院でこの読影をしたのでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 当該医療機関の読影体制等については、医療機関で読影する体制でございました。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) それで、厚生労働省は、この読影の医師なのですけれども、放射線科の医師、画像診断医とよく言われているのですけれども、画像を専門に読影する医師、大病院だと多分いると思うのですけれども、そういう医師か肺がん治療に携わる医師の読影というものを求めているのですけれども、本区の場合は自分の病院で行う場合と医師会で行う場合、それぞれどうなっているのでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 区につきましては、複数の医師、2人以上の医師で読影するということになってございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) いや、その2人の医師で読影というのは分かるのですけれども、医師でもそれぞれ専門がありまして、厚生労働省は放射線科の医師、画像診断医という医師ですね、専門医です、それか肺がんの治療に携わる専門医の読影を求めているのですけれども、その医師の中でもどういう方が、医師だったら誰でもいいということになるのですか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 区の読影医師の要件につきましては、葛飾区医師会と協議いたしまして、読影委員会については呼吸器専門医、放射線科専門医ということで要件になってございます。医療機関のほうで自院読影することにつきましては、葛飾区医師会の規定に基づきまして、呼吸器専門医、放射線専門医ということで要件については定めているところでございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) その要件を守られているかどうかというのは、チェックはされているのですか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 葛飾区医師会のほうから報告を頂戴しております。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) ということは、今回のこの事案についても、放射線科の専門医か、あるいは肺がん治療に携わる専門医が読影をしたという認識でよろしいのですか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 本件の読影医の要件等につきましては、裁判になっておりますので、この場での答弁は控えさせていただきます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) あと、被告病院での平成30年度、令和元年度、令和2年度はそれぞれ何人が特定健診のうち、このがん検診を受診されているのでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 平成30年度の肺がん検診の受診者数、約7万1,253人でございます。令和2年度についてはほぼ同じでございまして、7万人の方が……

 失礼いたしました。間違えました。

 平成30年度のこの当該医療機関の受診者数でございましたね。申し訳ありません。平成30年度のこの当該医療機関の肺がん検診の受診者数は719人でございます。

             (「元年度は」との声あり)

 令和元年。申し訳ありません。令和元年度につきましては700人弱だったと思います。申し訳ありません。大体、例年700人弱の方がお受けになっております。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) 700人ぐらいがこのがん検診を受診されているというのですけれども、ほかの方は問題ないのですか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 本件以外につきましては、現時点では異議の申立て、それから、見落とし等についての把握はしてございません。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) それで、今年度なのですけれども、今年度は、この被告病院というのはがん検診の対象病院というふうになっているのでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 令和3年度につきましては、当該医療機関は実施医療機関の予定でございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) あと、この原告の主張というところなのですけれども、これは情報が非常に、ちょっと少ないのではないかなという気はいたします。事前にお伺いしたときも訴訟案件なのでということで一切お答えいただいていないのですけれども、この方の年代ですよね、年代とか、あと、原告の肺腺がんの病期が著しく進行したことあるのですけれども、これはステージは大体どのくらいなのでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 繰り返しの答弁で本当に申し訳ございません。個人情報に関わるところでございますので、この場での御説明は控えさせていただきたいと思います。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) これは個人情報になるのですかね。そこまで個人情報になるとは思いませんよ。年代とステージがどのくらいかというのは、多分訴状とかそういったものにも書いてあるのではないですか。ただ、それを記載していないだけではないですか。

○(江口ひさみ委員長) 副区長。

○(副区長) 今回、訴訟案件ということでお答えできる範囲が非常に限られていて、小林委員には本当に申し訳ないと思いますけれども、原告がここで名前を出してございます。その中で病状についてコメントすることは、私どもとしては難しいというふうに思ってございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) そうなのでしょうか。これは原告から控えてくださいと言われているのですか。訴状の中に、訴えの中に書いてあるのではないのですか。

○(江口ひさみ委員長) 副区長。

○(副区長) 個人名を出して報告をさせていただく中で、その個人の方のステージとかそういった部分については、お答えするのはふさわしくないというふうに思ってございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員、ちょっと同じ質問になってしまうので……

○(小林ひとし委員) そういうこともあろうかと思って、実は私、月曜日に東京地裁の民事第30部というところに行って裁判記録を全部閲覧させていただきました。

 それで、今回、私はこの裁判、当事者とは、原告とは全く面識もないのですけれども、非常にやはり気になるのですよ。それで、そういうこともあって記録を見させてもらったのですけれども、これは今回この訴訟を受けるまでにいろいろあったと思うのですけれども、区が独自に、今回、平成30年8月28日に撮ったレントゲンの画像とかそういったものを、葛飾区として専門医に見せて意見書をもらうとか、そういった区として独自に何か調査をしたのでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 裁判の結果が明らかになりましたら、この委員会のところでもきちんと御報告させていただきまして、説明をさせていただきたいと思いますので、区の対応等、具体的なところにつきましては、この場での、この時点での回答は控えさせていただきたいと思います。申し訳ございません。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) それで、特定健診、このがん検診の実施主体というのはどこなのですか。

○(江口ひさみ委員長) 健康づくり課長。

○(健康づくり課長) 葛飾区でございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) そうしますと、この訴訟前の対応について、令和2年5月19日に原告に対して、葛飾区に対して課される法的根拠が不明確というふうに言っているのですね。なぜ葛飾区を訴えるのですかということを聞いているのですけれども、こういった聞き方というのは、実施主体が葛飾区で、法的根拠は何ですかと問うというのはおかしいと思うのですけれども、それはいかがでしょうか。

○(江口ひさみ委員長) すみません、小林委員、今のはこの書面の中には一切書かれていない内容なのですけれども、ちょっとそれについてはお答えも難しいかなと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○(小林ひとし委員) そうですね。

○(江口ひさみ委員長) では、健康づくり課長、お答えできる範囲でお願いいたします。

○(健康づくり課長) 区の対応といたしましては、1年前に原告の方から文書で御連絡いただきまして、この案件につきましては受託者である葛飾区医師会のほうに実施医療機関へのヒアリングをして、そこでの報告書を出させているところでございます。

○(江口ひさみ委員長) 小林委員。

○(小林ひとし委員) 私は、この区の対応というのが、原告の主張を裁判記録で第三者閲覧させていただいたわけでございますけれども、それでちょっとどうかなと不信感を非常に持ったものですから、対応について、それで聞いているのですけれども。

 あと、令和2年6月15日に代理人間で面談した際に被告病院の回答を待って対応するというふうにしているのですけれども、そういうふうになっているのですけれども、その後何もないということなのですけれども、こういった対応というのがちょっと非常に不誠実というのですか、要は、原告の方に全く寄り添っていないというかそういう感じがするのですけれども。

○(江口ひさみ委員長) おりかさ副委員長。

○(おりかさ明実副委員長) 小林委員に申し上げたいのですけれども、裁判の議事録はここで議論する中身ではないと思うのですよ。やはり区の対応について問題があるならば、報告された中身から区に対して質問するということはあっていいと思うのですけれども、先ほどの個人情報もありますけれども、非常に微妙な問題が含まれているので、そこはあまり踏み込み過ぎるという必要は、議会としてやるべきではないと、そういうふうに私は考えますけれども。

 委員長、皆さんにもそういうふうにちょっと聞いてもらえますか。

○(江口ひさみ委員長) それでは、今、副委員長からお話がありましたけれども、今の内容につきまして、質疑の方向性につきまして踏み込み過ぎているというお話がございましたけれども、皆様いかがですか。

 小山委員。

○(小山たつや委員) 今、副委員長からもありましたが、今まさに裁判をこれから行うところであって、途中経過の開示は、当然区としてはできませんし、一通りこれが全部終結した後に個人的にお聞きすることはできるでしょうが、今の段階で区に、例えば、過失がある、落ち度があるということはこの場では争うべきでないし質疑をするべきではないと思いますね。そういう部分では、ちょっとこれ以上踏み込んだ議論はどうなのかな、このように思います。

 以上です。

○(江口ひさみ委員長) そのほか、いかがでしょうか。

             (「異議なし」との声あり)

 それでは、小林議員、庶務報告の範囲内での質疑でお願いいたします。

○(小林ひとし委員) 私もいろいろ知っていますけれども、当然言えない部分もありますけれども。

 最後に、私の率直な感想なのですけれども、何か区民に寄り添っているというよりは病院に寄り添っているというか、そういう印象を、今回の、もちろん原告の主張しか見ていないので明日以降の状況を見ないと分からない部分もありますけれども、そういう調査した形跡というのはないですし、そういった意味ではちょっと病院に寄り添い過ぎているのかなという気はしますということで、率直に感想を述べさせていただいて、終わりにしたいと思います。