お許しをいただき、私は民主党葛飾より、区長並びに関係部長に、通告に従いまして教育問題を中心に区政一般質問をさせていただきます。
私は、まちづくりの基本は人づくり、すなわち教育にあると思います。(「そのとおり」との声あり)日本は諸外国と比べても早い段階で、アジアでは一番最初に義務教育を導入した国であります。私は、この明治政府が導入した義務教育こそが、戦後の日本の高度経済成長を支え、今日の日本の繁栄を築いていると確信しております。
しかしながら、今日の日本の子供の学力低下は著しいものがございます。学力の低下は将来の日本の経済力、すなわち国力の低下につながるのではないかと危惧しております。
そしてまた、近年は所得の格差拡大が問題となっておりますが、それに伴い教育の階層化が進んでおります。つまり、両親の所得、財力が子供の教育環境、最終的には学力に影響を与えているのです。昨今では私立の中高一貫教育が人気を集めておりますが、入学するまでは塾通い、そして入学後も当然多額の授業料を要します。私立の学校は独自のカリキュラム編成で、学校によっては土曜日も授業を行い、公立に通う子供との学力がさらに広がっていくわけであります。
私は、こうした現実を変えていきたい、公立学校であっても基礎学力がしっかり身につく教育を受けられるような学校づくりをしなければならないと思っております。もちろん、私立の学校とは比較することに無理がありますが、少しでも格差を縮めていかなければならない、これが公立学校に課された責務であると考えます。何とか公教育を立て直していきたい、これが私の思いであります。
そして、どの施策に関しても同様のことが言えますが、トップのリーダーシップによるところが大きいと思います。イギリスのブレア首相は、就任演説でイギリスの三つの課題を問われ、第一に教育、第二に教育、第三に教育であると、教育に対する並々ならぬ思いを訴えたのは有名な話であります。
そこでまず、行政の最高責任者でもある青木区長が教育に対してどのようなお考えをお持ちで、これからの4年間どういった教育行政を行っていくのか、その意気込み、決意を区長にお伺いしたく存じます。
さて、私はこれまで、文部科学省が推進をしてきましたゆとり教育の見直しを訴えてまいりました。ゆとり教育は、それまでの校内暴力、いじめ、学級崩壊など学校が荒れている原因が詰め込み教育、偏差値教育にあり、時間的なゆとりが生まれればおのずと解消するという考え方で導入されましたが、何の解決策にもなりませんでした。むしろ、解決されるどころか学力の低下をもたらしました。
一昨年12月に行われましたOECDの国際学力調査によると、これまでトップクラスだった日本の子供の学力が読解力、数学的応用力で順位を下げております。当時の中山成彬文部科学大臣が一時、ゆとり教育が間違いであることを認めたのは、やはり政治家として率直にそう感じたからではないでしょうか。また、平成17年3月に行われた朝日新聞の世論調査では、何と78%の方がゆとり教育の見直しに賛成をしております。
私は、明らかにゆとり教育、踏み込んで申し上げるならば授業時間の縮減、学習内容の3割削減を定めた学習指導要領こそが学力低下をもたらしたと確信しております。葛飾区も授業時間の縮減という文部科学省の施策が間違っていたからこそ、小中学校における夏休みの縮減という独自の施策を行ったのではないでしょうか。もしそうでないならば整合性のとれるご説明をいただき、そして、教育委員会としてのゆとり教育についての見解をお伺いいたします。
現在の公立小中学校の学校運営の状況は、設置者が葛飾区であるにもかかわらず、教員の人事権はいまだ東京都にあるというねじれ現象にあります。私は、教育の地方分権を進め、特色ある学校づくりを進めるためにも、東京都にある教員の人事権を、税財源措置とあわせて葛飾区へ移管すべきであると思っております。
最近の動きとして、全国市長会においては、平成17年9月の提言、義務教育における地方分権の推進に関する基本的考え方にうたっており、また、昨年10月の中央教育審議会答申によると、当面、中核市ぐらいまで人事権を移譲することが適当としております。また、品川区など一部自治体では東京都に働きかけをしておりますが、葛飾区の見解をお伺いしたいと存じます。
現在、葛飾区においても、地域社会と連携した学校づくりが進められており、今日の学校運営は地元の皆様のお力をかりずには成り立たなくなっております。それがわくわくチャレンジ広場であったり、学校評議員制度であったり、昨今では児童・生徒の登下校の安全確保においてもお世話になっております。地域の皆様のこうした活動には心より敬意を表します。
私は、こうした状況をさらに発展させ、できることなら地域の方、そして保護者の方が学校運営に直接参加する制度をつくってはどうでしょうか。これが、今、文部科学省が推進しているコミュニティスクールです。正式には学校運営協議会制度と申しますが、平成16年6月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が一部改正され、17年4月より導入できるようになりました。私は、この制度は、今まで画一的な運営しかできなかった公立学校の自主性が認められた画期的な制度だと思っております。
文部科学省の調査結果では、平成17年12月現在で35校が指定済み、平成19年度以降においては、検討中も含めると235校にも上ります。我々民主党も、このコミュニティスクールはマニフェストにもうたっており、党としても推進しております。このコミュニティスクールは、保護者、地域の方の負担が重くなってしまうという問題点はありますが、私は、徐々に環境づくりを進め、導入すべきと思いますが、いかがですか、お答えください。
さて、学校教育において非常に重要な要素は教師であります。いかにすばらしい建物で、エアコン完備など学習環境に恵まれていても、適切な教師がいなければ教育は成り立ちません。昨今、児童・生徒との適切な関係を築くことができない指導力が不足している教員の増加が問題となっております。
そこで質問します。
葛飾区教育委員会においては、指導力不足教員の把握はどうなっているのか、そして指導力不足とまではいかなくても、保護者から苦情の来る教員の対応はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
近年、児童・生徒の登下校中の不審者による事件が多発しているのはご承知のとおりであります。この件は既に定例会、委員会等でご報告があったことと存じますが、極めて重要な事案でございますので、再度確認の意味を込めて、葛飾区教育委員会が講じている安全対策の現状についてお伺いをいたします。
葛飾区では、既に学校選択制を導入しておりますが、そもそも選択制のねらいは、各学校間で競争することにより特色ある学校づくりを目指していくことだと思います。そこで、私は、さらに学校選択制を有意義なものにするためには、学校の情報公開が欠かせないと思っております。
現在は、小中学校ともすべての学校にホームページがあり、それぞれの学力の定着度調査なども掲載しております。しかし、保護者が大事なお子さんを学校に預ける上で一番知りたいのは、どういう教員が我が子を面倒見てくれるのだろうか、いじめはないのだろうかということになると思います。これは、数回の公開授業を見学しただけでは決してわからないことだろうと思います。結局はうわさに頼るしかないわけで、そういった今まで表に出てこなかった情報公開のあり方を検討すべきと思いますが、いかがですか、お答えください。
小学校での英語教育は、総合的な学習の時間における国際理解教育の一環として、平成
14年度から正規に行えるようになりました。葛飾区でも研究校として、現在、幾つかの小学校で英語教育を行っているわけでありますが、私は小学校で英語を教えることはなじまないと考えております。その理由は3点あります。
1点目は、そもそも日本語と英語は言語体系が異なるわけでして、幼い子供にとっては混乱して、正しい日本語すら理解できずに成長してしまうという専門家の指摘がございます。言葉の乱れが多い今日、さらにそれを助長する結果になりはしないか、とても心配です。正しい日本語を習得して初めて外国語を学ぶ、こういう姿勢が正しいと思います。
そして2点目は、ゆとり教育で授業時間削減の中、あえて貴重な授業時間を使って行う必要がないと思えるからです。そして、英語の授業を行っている小学校からは、教師にも生徒にも負担が大きく、双方とも疲れ切っているという報告も上がっております。(「どこから出ているんだ、その情報は」との声あり)私は、むしろ学力低下が顕著な理数系の科目に振り分けた方がいいと思います。
そして3点目は、英語至上主義を助長するという点です。外国語は何も英語だけではないのであって、日本の隣国では10億人以上もの人が中国語を話しているわけであります。そもそも日本人の英語に対する畏敬の念は、終戦後の英米に対する劣等感、英米崇拝からきていると思っております。これが今日の自虐史観の教育、自分の国に誇りが持てない、愛国心がない、こういうことにもつながってくると思います。(「それは違う」との声あり)
私は、この3点の理由から小学校で英語教育を行うべきではないと考えておりますが、いかがですか、お答えください。(「もっともだ、もっともだ」との声あり)
次に、区営自転車駐車場の利用時間に関してお伺いいたします。
区営自転車駐車場は葛飾区の主要駅に設置しておりますが、金町駅北口の西側、東側、東金町側の3カ所に限っては、朝6時から夜11時までと利用時間が設けられております。私自身、3年間サラリーマンとして、この金町駅北口自転車駐車場を利用していた一人として非常に不便を感じておりましたが、昨今、複数の利用者から時間延長の要望をお伺いいたしました。
区役所側の説明によりますと、近隣住民が騒音等を理由に反対しているとのことですが、自転車駐車場は駅前の商業地にあり、常に電車の騒音と隣り合わせの場所にあります。もちろん、近隣住民の声も重く受けとめなければなりませんが、公共の福祉の観点から調整するのが行政の役割ではないでしょうか。決して一方だけの意見にくみすることのないようお願い申し上げます。
そこで質問します。
金町駅北口の3カ所の自転車駐車場は、駅に隣接しているため非常に利用者が多く、また時間延長の要望も多いと聞いております。よって早急に、始発から終電までの利用時間の延長をすべきと思いますが、いかがですか。
また、現在、試験的に30分利用時間を繰り上げて5時半から利用できるようになっておりますが、今後も継続するのでしょうか、お答え願います。
さて、統廃合により平成19年3月で廃校となる水元高校の跡地に関して質問させていただきます。
私もこの件に関して、地元水元出身の議員として並々ならぬ関心を持っております。葛飾区では元気満10(てん)プロジェクトでフィットネスパーク構想を打ち出し、隣接する水元体育館、温水プールとあわせて、地元にスポーツを楽しめる運動公園を整備するとのことですが、東京都との折衝はどうなっているのでしょうか。また、どのような状況で、どういう感触を得ているのか、ご説明いただきたいと存じます。
また、理事者の皆様には、東京都との折衝いかんにかかわらず、今後も実現に向けて全力で取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
次に、新宿六丁目の三菱製紙工場跡地の再開発についてお伺いいたします。
私を含め、金町・水元地区の住民の皆さんも、この件に関しては非常に関心が高く、具体的な事業者の名前を挙げてこの店が入るとおっしゃる方や、大学を誘致するなど、さまざまなうわさが飛び交う中で、かたずを飲んで見守っております。
この再開発は、昨年2月にまちづくり方針を策定し、11月に都市計画決定に至り、いよいよ春先に事業者の公募が行われるとのことですが、まだ都市再生機構では公募が行われておりません。今後のスケジュールに変更はないのでしょうか、現状もあわせてご説明いただきたくお願い申し上げます。
近年、環境問題に対する世論の関心が高まる中、葛飾区においても既に、ごみの分別収集により、再利用できるごみは資源ごみとして収集しております。しかしながら、ここ数年来問題となっているのが、新聞紙、アルミ缶等の資源ごみを勝手に持ち出してしまう業者、個人がいることです。こうした状況が続けば、区の収集単価が上がり、継続する上でもコストの増加という事態にもなりかねません。
そこで質問します。
こうした状況を打開するために、区側はどのような対策を講じているのか、そして、資源ごみの抜き取り防止のために罰則つきの条例制定を検討することはしないのか、お答え願います。
以上で私の質問を終わります。きょうは時間の都合により再質問はいたしませんが、答弁いかんによっては、引き続き文教委員会等の場で質問をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(小用 進議長) 区長。
〔青木 勇区長 登壇〕
○(青木 勇区長) 小林議員のご質問にお答えをいたします。
初めに、教育に対します私の考え方についてでございます。
ご承知のとおり、教育、特にいわゆる教育内的事項については、教育委員会が一元的にこれに携わっているわけでございますが、その教育委員会において、現在、教育振興ビジョンを策定し、それを推進しております。ビジョンに基づいて、確かな学力の定着、豊かな心の育成、新たな学校の取り組みと家庭・地域社会との連携等々にかかわりますさまざまな施策を推進して、葛飾区の将来を担う児童・生徒の育成に取り組んでいるところでございます。
私といたしましても、この教育振興ビジョンの定めるところに従って、このビジョンの推進が着実に行われていくように、教育委員会の取り組みを環境整備という形で推進をしていきたいと考えているところでございます。また、教育を含む広く子育ての分野において、仕事と育児の両立や子育ての不安感の解消策を進めること、さらには、多発する少年犯罪や問題行動、あるいはまた先ほどもお話がございました地域における子供の安全が脅かされるといったような、いわゆる子育ての環境の悪化に対応して、例えば、わくわくチャレンジ広場など地域とともに進める子育てや、発育段階に応じた居場所づくりなどを展開して、子育てするなら葛飾で、教育するなら葛飾でと言われるようなまちをつくっていきたいと考えているところでございます。葛飾区の子供たちが、教育振興ビジョンにも掲げてございますけれども、知力、体力、そして感性、品性をはぐくんで、豊かな人間性と人格を兼ね備えた本区の将来を担う人材となるように、最大限の努力を傾注してまいりたいと考えているところでございます。
次に、都立水元高校廃校後の跡地活用についてのご質問にお答えをいたします。
水元高校の跡地につきましては、かねてより、健康づくりや生涯スポーツなどの拠点となる健康運動公園として活用してほしいという強い地元からの要望がございます。この地域の要望に応えるために、新基本計画において、元気満10プロジェクトの中にフィットネスパーク構想としてスポーツ公園の活用を位置づけたところであります。
区といたしましては、これまでも地元の町会や都議、区議の皆さんとともに数度にわたって、この跡地を健康運動公園として活用したいので、区に譲ってほしい旨を東京都に要請をしているところでございます。これまでのところ都教委からは、この跡地活用についての具体的な方向性やスケジュールなどは示されておりません。18年度中にこうした状況が明らかになってくると考えております。
今後とも引き続いて、地元の皆様、また各議員の方々と十分な連携を保ちながら、フィットネスパーク構想の実現に向けて、東京都に対して要請をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
その他のご質問については、教育長及び所管の部長より答弁をいたさせます。
○(小用 進議長) 教育長。
〔山崎喜久雄教育長 登壇〕
○(山崎喜久雄教育長) 初めに、ゆとり教育についてのご質問にお答えいたします。
昨年1月18日に中山前文部科学大臣が、総合学習のあり方を含め、授業時間のあり方、土曜日や夏休みのあり方などを考えなければならないという発言がなされ、文部科学省がゆとり教育から大きく政策転換するのではないかと取りざたされました。
こうした状況を受けてまとめられた昨年10月26日の中央教育審議会の答申、新しい時代の義務教育を創造するでは、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを理念とした現行の学習指導要領については、実施されて3年以上が経過しており、そのねらいは十分に達成されたのかをしっかりと検証していく必要があると示されました。
現在、学習指導要領をめぐってさまざまな議論がなされておりますが、基礎的な知識・技能の習得と、みずから学びみずから考える力の育成とは、対立的あるいは二者択一的にとらえるべきものではなく、この両方を総合的に育成していくことが重要であると考えております。また、これからの社会においては、みずから考え、頭の中で総合化して判断し、表現し、行動できる力を備えた自立した社会人を育成することがますます重要であると考えます。
教育委員会といたしましては、基礎的な知識や技能を身につけさせ、それを活用しながら、みずから学びみずから考える力などの生きる力をしっかりとはぐくんでいくという基本的な考え方に立って、葛飾区教育振興ビジョンに基づく区独自の取り組みをより一層進めてまいりたいと考えております。
次に、教員に対する人事権に関する質問でございますが、ご承知のとおり、教員の任命権は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律により東京都教育委員会に属することとなっております。また、教員の異動に関しましては、東京都教育委員会の定期異動要綱における一定の基準に基づいて実施しているところであります。
現在、教員の異動については、学校長の人事構想が最大限配慮されるような仕組みになっており、管理職の異動についても区教育委員会の人事構想がある程度考慮されております。しかしながら、区の実態に即した学校運営を適切に行っていくためには、教員の人事権は区に属する方が望ましく、また、地方分権を推進するという観点からも人事権を移譲すべきであり、そのようなことから、特別区教育長会を通じて人事権の移譲を要請しているところでございます。
次に、登下校の安全対策についてお答えいたします。
既に文教委員会において報告してありますように、各学校において集団下校あるいは複数下校、通学路の再点検、保護者の見守りへの依頼等を実施しており、また、自治町会や民生・児童委員を初めとした地域の各団体のご協力をいただいて、パトロールを実施しております。そして、子供たちに対しては、セーフティ教室やCAP講習会の実施等による防犯に対する意識づくりを行っております。
さらには、今年の4月からは、あらかじめ登録をされた保護者に対して、不審者情報等を学校ごとに情報提供ができる学校緊急情報メール配信システムの事業を開始する予定でございます。このように、さまざまな取り組みを行って児童・生徒の安全対策に鋭意努力しているところでございます。
以上でございます。
○(小用 進議長) 教育振興担当部長。
○(柏崎裕紀教育振興担当部長) 教育行政についてのご質問にお答えいたします。
初めに、学校運営協議会制度でございますが、これは、保護者や地域の方々が一定の権限を持って学校運営に参画することができる制度であり、学校運営のあり方の選択肢の一つとして制度化されたものであります。
導入した学校の状況を見ますと、学校と保護者、地域が対立関係になるなど、必ずしも成功しているとは言えない状況のところもあると聞いております。現時点では、教育振興ビジョンを推進する中で、保護者、地域との連携が十分できる関係を築き、地域での機運を盛り上げてから検討を行うべきであると考えております。
次に、指導力不足教員の対応についてでございますが、学級経営や教科指導がうまくできない指導力不足の教員の存在が社会的に厳しい目を向けられております。指導力不足と認定された教員は、本区で該当する者はおりませんが、教員の指導や対応について保護者から苦情が寄せられることもあり、教員の指導力の向上を図ることは極めて重要な課題であると認識しております。
学習指導や生活指導等に課題のある教員につきましては、指導主事を学校に派遣し、授業観察等を通して指導、助言を行うとともに、各学校において研修計画を立て、校長のもとで継続的に研修を行うなどの対応をしているところでございます。
次に、学校の情報提供についてのご質問にお答えいたします。
学校選択制は、学校を選択する子供や保護者が自分に合った学校を選ぶことができる制度であり、自分に合った学校を選択するためには、判断材料となる学校に関する情報がより多く得られることが重要となります。
そこで、すべての小中学校において学校ごとにホームページを立ち上げており、その中で学校長の学校経営方針、学校の教育目標、学校行事での児童・生徒の様子、確かな学力の定着度調査の結果とそれをもとにした授業の改善計画、保護者・地域の外部評価の結果などを掲載しているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後ともホームページの内容を一層充実して、学校の情報提供をさらに進めてまいりたいと考えておりますが、いじめや問題行動等についての情報につきましては、個人が特定される可能性があるなど課題も多くありますので、慎重に対処してまいりたいと考えております。
次に、小学校の英語教育についてのご質問にお答えいたします。
小学校からの英語教育は、コミュニケーション能力を育てる上でも大変重要な体験となるという賛成意見がある一方で、お話にありましたように、国語能力などとの関係で反対意見もございます。
本区では、現在、研究指定校だけでなく、どこの学校でも、低学年では特別活動の時間等において、3年生以上は総合的な学習の時間等において、英語活動や国際理解の授業を行っております。
教育委員会といたしましては、低学年のうちから子供たちが英語を楽しく聞いたり話したりすることで、外国語に抵抗感がなく、自然にコミュニケーション能力を身につけていくことは重要なことであると考えておりますので、このような教育実践を奨励してまいりたいと考えております。(「よし」との声あり)
以上でございます。(「アメリカの植民地じゃないぞ」との声あり)(「グローバルな話だよ」との声あり)
○(小用 進議長) 都市施設担当部長。
○(秋田貞夫都市施設担当部長) 金町駅北口自転車駐車場の利用時間延長に関するご質問にお答えいたします。
葛飾区の自転車駐車場は、利用者がより利用しやすいように、始発から終電までの営業時間を基本としております。しかしながら、金町駅北口自転車駐車場につきましては、住宅や商店と隣接しており、この方々に対し、自転車駐車場が発生させる騒音や防犯上の問題等が生じたため、区と近隣住民との協議の結果、午前6時から午後11時までの営業時間としております。一方、勤務時間の多様化など昨今の社会情勢を反映し、利用者からは、早朝及び深夜の利用について時間延長の要望を受けているところでございます。
そこで、区といたしましては、利用時間延長のご協力につきまして隣接住民の皆様とご相談をさせていただいておりますが、その中で賛否両論のご意見も伺っており、現在は、営業開始について午前5時30分からの試行を行っているところでございます。今後、試行の状況を踏まえ、ご協力いただける箇所から、隣接住民の皆様と引き続き協議をし、時間延長に向けた調整を図ってまいります。
以上でございます。
○(小用 進議長) 都市整備部長。
○(栁澤恒雄都市整備部長) 新宿六丁目再開発に関する進捗状況についてのご質問にお答えいたします。
平成13年7月に策定しました都市計画マスタープランでは、大規模な工場跡地等において、良好な居住環境の形成を基本に複合的な都市機能の導入を推進し、まちの活性化に寄与する拠点としての土地利用転換を図るものとしております。お話の新宿六丁目地区でも、地域の活性化に資する拠点の形成を目指したまちづくりを進めるため、これまでも関係機関等と調整を進めてきたところでございます。
ご質問の公募につきましては、都市再生機構が街区ごとに事業者を募集するなど、具体的な手続に入っていく予定でありましたが、現在、都市機能について、昨日区長が申し上げましたように、大学等を含めさまざまな調整をしているところであり、その時期がおくれているものであります。区といたしましても、さらに都市再生機構を初め関係機関と協議を行いながら、具体的な内容について、今後、議会を初め地域の皆様方のご意見を伺いながら、新宿六丁目のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(小用 進議長) 環境部長。
○(鈴木昭仁環境部長) 資源ごみの抜き取りに対し罰則つきの条例を制定するなどの取り組みについてお答えします。
区民の皆さんが分別して区の集積所に出していただいた新聞などの資源を持ち去る行為は、以前から問題になっており、本区でも実態に合わせた対策を講じてまいりました。
23区内では、杉並区や江東区などで、集積所に出された資源を区の所有物とし、区指定業者以外の持ち去りを禁じる条例を制定しており、これは抜き取り行為を窃盗罪とすることを想定したものです。(「窃盗罪にはならないよ」との声あり)
しかしながら、杉並区で抜き取り業者を告発、書類送検したものの不起訴処分となったと聞いております。また、世田谷区では、区指定業者以外の者が集積所から資源を持ち去る行為そのものを禁じ、命令に従わない場合は罰金を科す内容の条例を制定し、平成15年9月に告発、書類送検しましたが、現在も公判中と聞いております。
抜き取り行為に窃盗罪が適用できるかについて(「できないよ」との声あり)以前から警察に照会しておりますが、所有権の明確化、集積所にかぎをかけるなど、抜き取りされにくい対策をしていること、被害者が告発することなどの要件が確定していないと適用は難しいとの見解を受けているところでございます。
このため、本区では、条例改正によらず、古紙の回収方法を見直し、朝9時半までに古紙回収を完了するようにしたところ、抜き取りの対象となっている新聞回収量が約40%増となり、一定の効果が得られたものと認識しております。
そのほか、全集積所への抜き取り行為禁止看板の設置や職員によるパトロールの実施、さらに、抜き取り行為者を発見した場合には行為の中止、抜き取った資源の返却指導等の対策を講じてまいりました。
また、区民の皆さんにも集団回収への参加や回収時間に合わせた排出のお願いをしてまいりました。さらに、来年度につきましては、集団回収の報償金の増を図り、より一層参加を呼びかけていくところでございます。
今後も、パトロールを強化するなどこれまでの対策を充実させるとともに、条例の制定については、裁判の結果を踏まえ、実効性があると判断できたときは検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。