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平成18年第3回定例会(第1日 9月19日)

お許しをいただきまして、さきの通告に従い、区政一般質問をさせていただきます。
 近年は、交通事故での死者が減少傾向にありますが、飲酒による事故が目立つようになりました。
 先月8月25日に福岡市東区で発生した幼児3人が死亡した追突転落事故は、福岡市職員の飲酒運転によるもので、前途有望な尊い命を3名一度に失うとても痛ましい事件でした。
 この事件をきっかけに、最近は警察の取り締まりが強化されたためか、連日のように飲酒運転摘発がニュースで取り上げられております。中でも、公務員が飲酒運転で起こした死亡事故がここ5年間で53件、人身事故は計1,385件に上っております。
 そこで質問いたします。
 葛飾区でも、このような事態を受けて職員に対して飲酒運転防止の周知徹底をしているとは思いますが、職員が現在飲酒運転で検挙された場合の処分、そして、飲酒運転で事故を起こしたときの処分規定はどのようになっているのでしょうか。
 また、飲酒を勧めた場合や同乗者の処分を検討している自治体もありますが、葛飾区はいかがでしょうか。
 さて、私は第1回定例会においても教育問題を取り上げさせていただきましたが、引き続き解決しなければならない問題が山積しておりますので、お伺いいたします。
 近年、子供の学力の低下が社会問題化しております。OECDの国際的な学力調査においても、日本の子供の学力低下が明らかになりました。
 この問題は葛飾区も例外ではなく、東京都が毎年行っている学力テストの結果が今年6月に発表されましたが、中学2年生の学力テストにおいて、葛飾区は23区で最下位という結果になってしまいました。(「大変だ」との声あり)
 私は、葛飾区立の小中学校を卒業し、そして現在も文教委員会に所属している一人として残念に思うと同時に、何とかしなければという思いがこみ上げてきました。
 しかしながら、学力というのは一朝一夕にはつかないものであり、教育委員会にお願いしたいのは、ただ単に小手先だけの最下位脱出の手段を講じるのではなく、腰を据えて基礎学力が向上するようにしてほしいということであります。(「最下位脱出か」との声あり)
 また、青木区長におかれましても、今後、予算編成を迎えるに当たりまして、ぜひとも将来の葛飾区の担い手である子供たちのためにも、教育関係の予算に特段のご配慮をお願い申し上げます。(「みっともないよ」との声あり)
 葛飾区は、3年前より学校選択制を導入し、また、昨年度からは学力定着度調査を実施し、夏休みの5日間縮減などさまざまな取り組みを行ってまいりました。(「それでも最下位ならやらない方がいいんだよ」との声あり)夏休みの縮減に関しては賛否両論ありますが、学校選択制や区内独自の学力定着度調査の実施、(「みっともないよ」との声あり)そしてその結果を公表するということは、一定の前進であると思います。
 しかしながら、制度を変えるのは手段にすぎず、真の目的は、特色ある学校づくり、教職員の意識改革や問題意識を持つことによって、教育の質の向上を図ることにあります。現在、それが果たしてどういったぐあいで進んでいるのか、当初の目的を達成しているのか、検証することは必要であります。(「そうだ」との声あり)
 近年は、偏差値という言葉が学校の中から消えて久しいですが、結局は学力をはかる物差しがなくなってしまい、東京都でも統一学力テストを、そして、とうとう文部科学省がみずから音頭をとって、来年度からは全国一斉学力テストを実施することになりました。
 葛飾区においても、昨年度から学力定着度調査を実施しておりますが、調査結果を精査して一番気にかかったことは、学力の学校間格差であります。そもそも学校間格差は今に始まったことではなく、格差はあって当然と言う方もいらっしゃいますが、あまりにもかけ離れていては問題があると思います。
 そして、葛美中学校が今年極端に結果が悪いため、私は6月の文教委員会においてそのことを指摘させていただき、支援の要請をさせていただきました。その際も、葛美中学校については、学校支援指導員を2人配置するなど、他の学校と比べて多少手厚い配置等をしているとのことで、また、既に教員配置についても配慮していると伺っております。(「学校名を出すべきじゃないだろう」「固有名詞を出すべきじゃないよ」との声あり)
 このような教育委員会を初め、学校長、教職員、そして近隣住民の皆様のご尽力の成果で、以前と比べると生活面では大分落ちつきを取り戻しているという話は、地元の住民の方からも耳にします。これからは、学力面での支援・指導体制が急務と思います。しかし、学校単独での努力は限界があると思いますが、教育委員会としてどのような支援体制がとれるのかお伺いいたします。
 現在は格差社会と言われておりますが、今回の東京都が実施した学力テストの結果を見ても、23区の中で上位半分は西側の区が占めており、教育の分野においても西高東低の傾向があらわれております。
 そして、昨今、塾通いをしている子供とそうでない子供の学力の格差が広がっているというデータもあります。(「30年変わっていないよ」との声あり)
 しかしながら、幾ら塾が発達したとはいえ、子供たちに基礎学力をつけるのは学校の役割であって塾の役割ではありません。学校の教員はいわば教育のプロであり、教え方もうまくて当たり前なのです。しかしながら、ある他の自治体では、公立学校の授業に塾の講師を招き入れるなど本末転倒の事態が起こっております。いかにいい教材を使って冷房が効いた教室で教えようとも、一番のかなめは教師であります。
 葛飾区には指導力不足教員はいないとのことですが、教員の資質向上は重要な課題であると思います。国レベルでの議論ではありますが、教員の資質向上のために、教員免許更新制導入などの声も、現在、文部科学省の中央教育審議会や政府・与党内からも出てきております。
 そして、いよいよ教員の大量退職時代を迎えようとしている今日、若手教員の養成は急務であります。また、この問題は公教育における教育の質をどう保障していくかということにもつながると思いますが、現在、葛飾区教育委員会においては、若手教員の養成・研修等支援体制はどのようになっているのか、お伺いいたします。
 次に、夏休みの縮減についてお伺いいたします。
 葛飾区では、昨年から中学校で、今年から小学校で夏休みを1週間縮減いたしました。近年、葛飾区と同様に夏休み縮減を行う自治体が増えてきておりますが、この夏休みの縮減に関しては、保護者から賛否両論、さまざまな声が上がり、議会においても、昨年の第4回定例会において小学校の夏休み短縮に関する請願を採択いたしました。
 そこで質問いたします。
 区長の冒頭あいさつでもございましたが、実際、夏休み短縮で授業時間も増え、各学校で有効に使ったとのことですが、一方では、夏休み縮減により教員の日程が窮屈になったり、研修に出られなかったり、そして児童・生徒が子供向けの行事に出られないといった声もあると聞いております。教育委員会としての夏休み縮減をどのように総括しているのか、お伺いいたします。(「質問者はどう総括しているんだ」「あなたは賛成なの反対なの」との声あり)
 次に、全国的に問題となっております給食費の未納問題についてお伺いいたします。
 この給食費未納問題は、未納分の食材を減らしたり変更したりする事態にまで発展しているところもあると聞いております。
 葛飾区では、この問題については、教育委員会が就学援助受給者については校長口座に振り込むなど対策を講じたこともあって、平成15年度の時点で853万円あった未納額が平成17年度には514万円まで減り、かなり改善したとのことであります。しかしながら、給食費未納の大半は踏み倒され、逃げ得になっているのが現状であります。(「それは大変だ」との声あり)
 教育委員会は、給食費未納の追跡調査はしていないとのことですが、恐らく大半が回収できていない状況にあると思われます。そうであると仮定すると、過去7年間で約5,100万円という膨大な額が踏み倒されている計算になります。中には、初めから払う気のない確信犯もいると聞いておりますが、教育委員会としてはどのような対策を講じているのでしょうか。また、今後は強制的な手段は検討するのでしょうか。お答えください。(「強制的に食わせないのはまずいよ」との声あり)
 日本は高度経済成長期以降、アメリカ合衆国と同様、大量生産・大量消費時代を迎え、また、飽食の時代を迎え、栄養のとり過ぎなど気を使っておりますが、アフリカなどではいまだに食料が不足し、満足に食べることができない子供たちが多数おります。WFP(国連世界食料計画)によりますと、現在もアフリカ東部、中央部、そして南部を中心に、8億人以上の人たちが飢餓で苦しんでいるとのことであります。
 私が子供のころは、親から、弁当箱のふたについた米粒さえ一粒も残さず食べるよう教育されましたが、現状を見ますと、学校給食において残飯が非常に多いと聞いております。私は、教育の観点からも食べ物のありがたさをきちっと教えるべきであると思います。
 そこで質問いたします。
 現在、小中学校では残飯はどのくらいの量が発生し、どのような処理をしているのか、そして、きちんと食べ物の大切さを教えているのか、お伺いいたします。(「残飯じゃない。残菜だよ」「早寝・早起き・早ご飯だ」との声あり)
 最後に、新宿六丁目の再開発についてお尋ねいたします。
 新宿六丁目は、昨年11月に都市計画決定が済みましたが、葛飾区が進める大学誘致構想により、現在は特別養護老人ホーム以外は動きがとまっている現状であります。(「そんなことないよ」との声あり)
 まずお伺いしたいのは、近隣の住民の皆さんの中で、この新宿六丁目、三菱製紙工場の跡地の土壌について、草が生えていないけれども大丈夫なのかなど、不安視する方がいらっしゃいます。確かに工場跡地というのは土壌が汚染されているケースがあり、この工場跡地も調整池があったりして非常に気になるところですが、いかがですか。
 そして、このたび、区長の冒頭あいさつでも触れておりましたが、順天堂大学が進出する意向であるとのことですが、どのような状況であるのかご説明いただきたく、よろしくお願い申し上げます。(「質問者は賛成か反対か」との声あり)
 また、葛飾区としては、大学誘致に関してそれ相応の財政的な支援、負担をする用意はあるのかどうか、お伺いいたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(小用 進議長) この際、お諮りいたします。
 会議時間を延長することに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 異議なしと認め、会議時間を延長することに決定いたしました。
 それでは、区長。
〔青木 勇区長 登壇〕
○(青木 勇区長) 小林議員のご質問にお答えいたします。
 初めに、本区における職員の飲酒運転に対する処分規定及び飲酒を勧めた場合や同乗者の処分の検討についてのご質問でございます。
 まず、本区における職員の飲酒運転に対する処分規定についてでありますが、単なる酒気帯び運転を行ったとしても免職または停職処分とし、国や他の自治体と比べて大変厳しい内容となっております。この懲戒処分の指針は、職員の非違行為を未然に防止する目的から、各職員に周知をして、日常の指導・監督を強化しているところであります。
 次に、飲酒を勧めた場合や同乗者の処分についてでありますが、今後、事故防止の観点から、懲戒処分の内容や程度について、社会状況や他の事案との均衡、また、今後の道路交通法における罰則規定の改正の状況等を勘案しながら、検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、大学誘致に関するご質問にお答えをいたします。
 まず、順天堂大学との交渉状況についてでありますが、冒頭のごあいさつでも申し上げましたとおり、去る8月28日に、私が同大学の理事長と直接お会いをして進出意向の確認を行ったところ、新宿六丁目にある三菱製紙中川工場跡地に、スポーツ健康科学部を中核とした教育施設を初め、グラウンド等のスポーツ施設、さらには同大学の有する医学部関連等の多種多様な機能及びその拠点となり得る施設を、11ヘクタール程度の規模で移転・進出したい旨の意向が示されたところでございます。
 次に、大学誘致が実現した場合の財政的な支援策といたしましては、今後、大学誘致における本区のメリット、大学の持つ公共性、大学誘致の際における他の自治体の支援策等々を参考としながら、本区としての誘致支援策を検討してまいりたいと考えております。
 なお、教育問題等々につきましては、教育長及び所管部長から答弁をいたさせます。(「しっかりしてくれよ。頼むよ」との声あり)
○(小用 進議長) 教育長。
〔山崎喜久雄教育長 登壇〕
○(山崎喜久雄教育長) 初めに、葛美中学校の学力再生についてのご質問にお答えいたします。(「名前が出ちゃったの」「質問が悪い」との声あり)
 葛美中学校につきましては、これまでも文教委員会にご報告をし、実際に文教委員会の視察が行われたこともありましたが、(「ほかの学校はどうだ」との声あり)一時、生活指導上に課題がある生徒が多く在籍し、指導が困難な時期がございました。
 現在は、地域の方々や保護者が参加しての朝のあいさつ運動やPTA等による校内巡視など、学校、保護者、地域が一体となった取り組みを進めることにより、問題行動が減少し、一定の成果を上げております。また、野球部やサッカー部を初め、多くのクラブが総合体育大会で優秀な成績をおさめるなど、部活動の充実にも力を入れております。
 教育委員会といたしましても、生活指導を補助する学校支援指導員の派遣、保護司、民生委員など関係諸機関から構成するサポートチームによる支援など、学校全体の生活指導が充実するように努めてまいりました。(「学校名が出たら保護者と子供はどう思うんだ」との声あり)
 お話にあります学力につきましては、本区が独自に実施した確かな学力の定着度調査によりますと、中学2年生、3年生の国語、数学、英語の3教科とも達成率が5割を下回っており、基礎学力の定着は極めて大きな課題であると考えております。
 現在、学校と教育委員会が連携を図りながら、個に応じたよりきめの細かい指導を行うために、東京都の加配教員2名に加え、区独自の学習指導員を配置し、数学と英語の2教科で少人数授業を展開しております。また、通常の授業以外にも区から学習指導員を派遣し、放課後に週2回、数学と英語のチャレンジ学習教室を実施したり、10数名の学生ボランティアを活用して、生徒一人一人の課題に応じた学習教室を実施したりするなど、基礎学力が定着するよう学習指導を進めております。
 教育委員会といたしましては、今後とも学校と十分に連携を図りながら、基礎的な学力の定着を図るための取り組みをより一層進め、学校を支援してまいりたいと考えております。
 次に、夏休みの短縮についてのご質問にお答えいたします。
 夏休みの1週間短縮の目的は、学校5日制の完全実施により厳しくなった年間授業時数を増やし、授業時間や行事などの指導時間を実質的に確保することによって、全体としてゆとりのある教育活動を展開し、学校教育を充実させるためのものであります。
 ご案内のとおり、昨年度は中学校で実施し、本年度は小学校においても夏休みの1週間短縮を実施いたしました。
 確保した授業時数の活用につきましては、国語や算数、英語といった特定の教科に充てて学力向上を図った学校や、体育祭や文化祭の準備といった学校行事の充実に充てた学校など、各学校の特色を生かしたものになっております。そのようなことから、おおむね当初のねらいどおりに達成できたものと考えております。
 次に、夏休み短縮についての関係者の意見につきましては、いろいろな意見があることは事実ですが、保護者からは、授業時間が増えたことに対して評価する声が多く、おおむね好評であると受けとめております。教員の意見といたしましては、一部に反対の声があるものの、授業時間が増え、繰り返し指導が行えるようになった、体育祭や文化祭が充実したという肯定的な声もあり、理解が得られているものと考えております。
 現在の学習指導要領が実施された以降、葛飾区が全国で初めてとなる夏休み短縮を実施したことは、他の自治体にも大きな影響を与えており、今年度から新宿区、世田谷区など他区においても夏休みの短縮が実施されるようになったように、徐々に広がりを見せております。
 このようなことを総合的に考えますと、教育委員会といたしましては、夏休みの短縮は適切な施策であると評価するとともに、新たに確保した貴重な時間を有効に活用して、学校全体で確かな学力の定着や豊かな心の育成に取り組み、葛飾区の学校教育がさらに充実していくように、今後とも努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(「冬休みも短縮ちしゃえばいいんだな」との声あり)
○(小用 進議長) 教育振興担当部長。
○(鹿又幸夫教育振興担当部長) 教員の大量退職時代を迎える中、若手教員の養成などをどのように行っていくのかとのご質問にお答えいたします。
 東京都の公立学校教員の現在の年齢構成を見ますと、2007年度から始まるいわゆる団塊の世代の定年退職時期を迎え、東京都全体で小中学校合わせて、平成18年度末には869人、平成19年度末には1,341人の退職者が見込まれております。このような状況の中で、新規採用の教員が多くなり、同時に採用倍率も低下していることから、若手教員の養成が大きな課題となっております。
 教員は、採用された1年目に、法令に定められた初任者研修として、総合教育センター研修や宿泊研修、校内における研修などを受けることになります。また、本区独自の取り組みとして、年5回の授業研究を実施し、総合教育センターの退職校長等の嘱託員がきめ細かな指導を行っております。
 1年目の初任者研修が終わりますと、2年・3年次研修や4年次研修を実施しており、授業研究を通して指導主事や総合教育センター嘱託員が、校長の人材育成の方針に基づいた指導・助言を行っております。
 加えて、本区では、校長から推薦された教職経験2年から5年目の教員を対象にして、主に時間外の自主研究でございます若手教員実力養成研修を今年度より立ち上げました。この研修のねらいは、指導力の向上を図るため、講義や授業研究を通して継続的に指導・助言を行い、自己研さんを促すもので、指導者には指導主事、葛飾区優秀な教員表彰を受けた教員、退職校長等が当たっております。そして、年18回の研修会を開催し、定例会、模範授業参観、授業研究、グループ研究、夏季集中研修などの内容で実施しております。
 教育委員会といたしましては、教員の資質と能力の向上を図ることは大変重要なことと認識しており、今後とも若手教員の養成に重点を置くとともに、教員のライフステージに応じた研修の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○(小用 進議長) 教育次長。
○(小川幸男教育次長) 学校給食費の未納対策のご質問にお答えいたします。
 学校給食は、給食に要する食材購入費分として、学校長が保護者の方からお預かりした給食費により運営されております。
 この給食費につきましては、保護者に金融機関の口座を開設してもらい、それぞれの口座から毎月学校長口座に引き落とす形で徴収をしているところでございます。しかし、残念ながら保護者の一部には、お話にありましたように、初めから払う気のない確信犯的なものや、口座の残高不足等により納付がおくれおくれとなり、結果として滞納になる方もおり、各学校では給食運営上大変苦慮しているところであります。
 この未納対策につきましては、各学校で教職員が電話や文書、家庭訪問などにより当該保護者に督促を行い、さらに、それでもなお納入していただけない場合には、校長や副校長が直接保護者と電話や面談等をして納入催促を行っているところであります。
 なお、昨年度から、生活保護受給世帯の給食費については、区から直接学校長の口座へ振り込むよう改善を図ったところであります。さらに、今年度は、就学援助受給世帯に対しても、給食費の未納状況等により、当該援助金を学校長口座に直接振り込むことができるようにいたしました。
 こうした対策により、区全体の給食費の未納額は、平成15年度では850万円、未納率0.61%余りあったものが、平成17年度には510万円、未納率0.36%ほどに減少しております。
 給食費会計は、校長管理下の私費会計であるため、強制的な手段としては民事訴訟による方法がありますが、現実的には難しい面があると考えております。
 教育委員会といたしましては、こうした給食費の滞納について、定例校長会などの場を通じて、納入している保護者との不公平を是正する観点からも、未納対策を粘り強く行うよう指導しているところでございます。今後も、他の自治体における対策なども研究しながら、学校とも十分に連携を図り、給食費の未納対策について努力してまいりたいと考えております。
 次に、学校給食の残菜のご質問にお答えいたします。
 学校給食の意義は、栄養バランスのとれた食事を摂取することによって、成長期にある子供たちの健康の保持増進と体力の向上に資するものであります。このため、望ましい栄養量及び食品構成を満たしながら、各学校の独自性や自主性を発揮した多様な給食の実施に取り組んでいるところであります。
 一方、国が定める栄養摂取基準では、家庭で摂取しにくい豆、小魚、海藻、キノコ類などを学校給食の中で取り入れることを求めており、子供たちの苦手とされる食材もバランスよく使用しなければならないことから、特に献立作成においては、各学校栄養士が大変苦労しているところでございます。
 しかし、学校給食はみんなで楽しく食べることで苦手な食べ物を克服し、家庭では見られないようなたくさんの料理を知り、大切に食べることを知る貴重な場でもあります。
 学校給食の残菜量は、平成17年度において小学校の平均が1日1人当たり40.6グラム、中学校が同じく82グラムであり、年々減少しているところでございます。
 また、学校給食の残菜の処分については、限りある資源を保護し、ごみの減量化、リサイクルの推進を図る観点から、生ごみ処理機による堆肥化を全校で実施の上、学校花壇・農園で利用したり、近隣の住民に配布するなどの活用を図ってきたところでございます。さらに、学校において利用し切れなかった堆肥については、栃木県岩船町へ運搬の上、農作物の肥料として農家の方に利用していただいております。
 一方、本年4月からは、東京都が推奨するスーパーエコタウン事業の一環として、学校給食等の残菜を対象とした家畜用飼料化事業が開始されており、この事業の試行についても検討しているところでございます。
 今後とも、学校給食の残菜量を減らし、ごみ減量化を推進するために、栄養士の全校配置を進め、子供たちに喜ばれる献立の工夫や多様な給食の実施など、よりよい給食の実施に向けて努力してまいりたいと考えております。
 以上です。
○(小用 進議長) 環境部長。
○(鈴木昭仁環境部長) 新宿六丁目再開発に係る土壌汚染対策についてお答えいたします。
 土壌汚染対策につきましては、東京都環境確保条例では、鉛等の有害物質を取り扱っていた工場等が廃止したり建物を除去する際には、土壌調査や汚染の拡散防止対策をとるよう定められております。
 当該跡地につきましては、三菱製紙株式会社により、条例に基づき土壌調査が行われ、平成15年7月14日に調査結果報告書が区に提出されました。この調査結果から一部汚染土壌が検出されたため、汚染土壌の場外搬出方法による対策工事が平成15年9月から開始され、平成16年8月に完了いたしました。
 なお、お話にありました跡地に草が生えないとのことでありますが、跡地における粉じん及び雑草対策のため、盛り土を行った上にさらにコンクリートの砕石を敷地全体に敷設したことによるものと聞いており、土壌汚染については十分に対策がとられているものと考えております。
 以上でございます。