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平成19年第一回定例会(第3日 2月28日)

お許しをいただきまして、私は、民主党葛飾より、区長並びに関係部長に通告に従いまして、区政一般質問をさせていただきます。
 現在、日本では、格差が社会問題化しております。この格差社会の問題は、格差が存在することではなく、格差が拡大し、固定化していることにあると思います。
 私は、最近、小林由美さんの著書、超・格差社会 アメリカの真実という本を読みました。この著書によりますと、アメリカでは、5%の富裕層が6割の資産を保有しているとのことであります。金融資産に限って言えば、1%の富裕層が全米の4割の資産を保有しているという、極めて異常とも言える超格差社会であることがわかります。
 また、アメリカでは、ビリオネアと呼ばれる10億ドル、日本円に換算すると1,200億円以上もの資産を持つ超富裕層が約400世帯前後いるとされる一方で、国民の3割は貧困層であると言われております。
 日本においても、小泉内閣が進めた構造改革路線で、アメリカ型の社会同様、格差は縮まるどころか拡大をし続けております。私は、日本の国を決してアメリカのような超格差社会の国にしたくはありません。いざなぎ景気をも超える好景気が持続しているにもかかわらず、実感が持てないとよく言われます。これは、企業が株主に対する配当を高くしたり、また、役員報酬のアップをしているにもかかわらず、労働分配率が低下していることに起因していると思われます。個人の可処分所得がふえない、もしくは減った結果、個人消費が伸び悩んでいる状況にあります。
 そして、正規社員とパート労働者の賃金の格差が広がりを見せております。これは、企業の利益還元を賃金に反映するのではなく、ボーナスに反映するのも一因と思われます。
 また、雇用の面では短期契約が多く、いつ首になるかわからないという精神的にもきつい面を背負っております。
 先般、2月22日に、衆議院予算委員会での公聴会で、キャノンの工場で請負をやっていた大野さんは、何年働いても賃金は上がりません。ボーナスはなく、退職金制度もありません。私たちには、景気回復傾向の実感は全くなく、待遇は日に日に悪くなっているのが現状ですと述べております。この公聴会では、偽装請負も問題になりましたが、まさにこの大野さんの言葉は、非正規社員の実情をあらわしております。
 非正規社員の問題は、賃金の問題、雇用の不安定さという2つの問題をはらんでおり、今後は、今まで以上に非正規への目配りが必要になってきております。
 我々民主党は、格差是正こそが最大の政治課題であるという認識のもと、区議会においても格差社会解消に向けて全力で取り組み、今後も引き続き、働く者の立場に立って、固定化してしまった格差社会に向けて全力で取り組んでまいります。
 葛飾区においても、格差是正に向けて独自にできる施策は、ぜひとも実行していただきたいと思います。
 そして、葛飾区が発注する公共事業を請け負う事業所に対しては、下請け、孫請けも含め労働者の権利を守るために、労働関係諸法の徹底を指導していただきますよう、要請させていただきます。
 さて、非正規社員、パート労働者の待遇が社会問題化している中で、葛飾区においても、これまで議会でほとんど取り上げられてこなかった非常勤職員の待遇に目を向けてみたいと思います。
 葛飾区においては、今や1,665人の非常勤職員がいると聞いております。この人数は、常勤職員の半分に達しており、常勤職員の方々と同様、区役所の第一線に立っているわけであります。
 私は、非常勤職員の待遇について、今回、質問をするに際しまして、総務部や福祉部、そして子育て支援部等にお勤めになっている11名の非常勤職員の方から意見聴取をさせていただき、その際に、支給明細書や源泉徴収票もあわせて拝見をさせていただきました。
 そして、その中でだれもが共通して口にするのが、給料は下がるばかりで、一度も上がったことがないということでありました。
 確かに福祉部に所属している非常勤職員の平成16年分と18年分の源泉徴収票を拝見いたしますと、手取りの給料が5万5,000円も下がっておりました。これが源泉徴収票のコピーでありますが、年収200万円の方が195万円に下がっているわけであります。この状態は、看過することはできません。
 学校調理員に関しては、賃金面での待遇改善があったと聞いておりますが、平成11年以降、非常勤職員の賃金は据え置きや引き下げが続いており、一度も引き上げがないと聞きましたが事実でしょうか。
 また、賃金を下げる理由として、葛飾区は特別区人事委員会の勧告を挙げております。しかしながら、正規職員と賃金が大幅に異なり、低賃金に抑えられている非常勤職員の賃金に、人事委員会の勧告をリンクさせる理由は何なのでしょうか。
 また、非常勤職員の賃金を人事委員会の勧告によって引き下げる法的根拠はあるのでしょうか。
 そして、冒頭でも触れましたが、格差問題が社会問題化している今日、民間においてもまだまだ越えなければならないハードルはありますが、ようやくパート労働者、非正規社員の待遇改善に光が当てられるようになりました。そして、定率減税の廃止による増税などで可処分所得が減る中、民間の手本となるべき区役所が、毎年、非常勤職員の賃金を下げている状況は、どんなことがあろうとも格差の固定化を助長していると言わざるを得ません。
 いざなぎ景気を超える経済成長が続き、来年度の税収もふえている今日、それに逆行する賃金の引き下げは理解できません。区長は、この現状をどう思っているのかお伺いいたします。
 そして、非常勤職員の方々からさまざまなご意見を伺いましたので、その一部を紹介させていただきます。当然のことながら匿名とさせていただきますが、もし仮に個人が特定されることがあっても、このことにより不利益の扱いがなされないよう配慮願います。
 まずは、10年くらい福祉部に勤めているAさんは、成績が悪かったら派遣に変えると上司から言われ、子育て支援部のBさんは、賃金が下がっていくため、どんどん周りの人がやめていくと嘆いておりました。そして、同じ子育て支援部のCさんは、何年働いても新しく入ってきた人と同じ賃金で、しかも今までの仕事に加え、新しく入ってきた方の指導もしなければならないなど不満を聞きました。そして、ある部の常勤職員のDさんからも、せっかくノウハウを身につけ仕事に慣れてきても、ほかに賃金のいい職場があると移ってしまい、また新しい非常勤職員の方に一から教えなければならないと、効率の悪さを指摘しておりました。私は、区長初め理事者の方々に、こうした現場の声をしっかりと受けとめてほしいと思います。
 そして、いかに非常勤職員の方々のやる気、能力を引き出していくかということが、区民サービスの向上にもつながると思っております。
 葛飾区は、任用期間が1年であることを理由に昇給を否定しているようでありますが、自治体によっては、昇給制度を取り入れたりして待遇改善を図っているところもありますが、いかがでしょうか。
 さて、きょうは、非常勤職員の方から、意見聴取の際にぜひとも改善してほしいという要望があった件について質問をさせていただきます。それは、葛飾区徴収嘱託員設置要綱の件であります。この要綱の中では、任期期間は、第4条の1項で、徴収嘱託員の任期は4月1日から翌年3月31日までの1年とし、当該年度の途中において任用する場合の任期期間は、その残余期間とすると規定しておりますが、別に2項では、前項の規定があるにもかかわらず、特に必要があると認められる場合は、同項に規定する期間よりも短い期間の任用を行うことができると規定があります。この規定は、非常にあいまいであり、内規に示してほしいとのことでありました。この特に必要と認められる場合は、どういう場合を指すのか、お示しください。
 近年は、地球温暖化が進んでおります。今年は、いまだ雪も降らず、池にも氷が張らない状態が続いております。この状態を何とか変えていかなければ、我々の住む地球は、将来、深刻な事態を引き起こす可能性があります。
 先月来日したアメリカの元副大統領のアル・ゴア氏の原作、不都合な真実が、おととい、アカデミー賞を受賞し、話題となりました。この作品は、ゴア氏が長年にわたり続けてきた地球温暖化問題を伝える講演活動を収録したものであります。
 ゴア氏は、講演で、世界のこの危機的な状況は、政治的な問題ではなく、我々一人一人が取り組まなければいけない問題であると言っております。レジ袋を使わないで買い物袋を持参したり、徹底したごみの分別など、我々一人一人が取り組まねばならないこともたくさんあります。
 葛飾区においても、積極的に環境に配慮したまちづくり、環境施策を実施していくよう、よろしくお願いを申し上げます。
 さて、このたび東京都が昨年12月にまとめた、10年後の東京では、都内の公立小中学校の校庭を10年以内にすべて芝生化することをうたっております。私も校庭の芝生化は、地球温暖化防止の観点から、そして環境教育の一環として推進すべきであると考えます。
 しかしながら、芝生化には、解決しなければならない問題を抱えていることも事実であります。初期費用もさることながら、芝刈りや肥料の散布、害虫の駆除など、維持管理にはそれ相応のコストと手間がかかる点であります。せっかく芝生を敷き詰めても、はげたり、枯れたりしては無駄になってしまいます。
 そこで質問いたします。
 実際に芝生化するかどうか決めるのは葛飾区でありますが、この東京都が10年以内にすべての公立小中学校の校庭の芝生化を努力目標として掲げたことを、どのように受けとめているのか。また、現実性はあるのかお答えください。
 そして、平成19年度の予算概要に、金町小学校の校庭芝生化が盛り込まれております。金町小学校は、芝生の維持管理も学校と地域、PTA等の協力で行っていると聞いております。ぜひとも今後のお手本となるようなモデル校になってほしいと願っておりますが、次年度以降、ほかの学校で計画はあるのでしょうか。
 そして、現在、環境教育は、総合的な学習の時間を使って、区内の約半数の学校で実施しているとのことですが、どのような授業をどのくらいの時間を使っているのでしょうか。
 また、私は、すべての小学校、中学校においても、循環型社会到来に向けて環境教育を実施すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 葛飾区では、学校選択制を導入して中学校で4年、小学校で3年の歳月が経過し、ようやく定着してきたように思われます。
 しかしながら、学校選択制を導入している自治体で共通している問題は、一部の学校に希望が集中してしまい、人気校と不人気校に二極分化して、それが固定化してしまう傾向があることです。
 もともと学校選択制を導入する以前から、学校間格差は存在していたと思います。それが選択制を導入することにより、保護者、生徒・児童が学校を自由に選べるようになり、学校間格差が目立つようになってきました。
 学校選択制が導入されたとはいえ、どの学校に通っても同じであれば、自宅から近い学校に通うと思います。わざわざ保護者や生徒が学区域以外の学校を選択するには、何か理由があるはずです。その辺をしっかりとらえ、改善していかなければならないと思います。これは、学校選択制を導入した以上は、避けて通れない問題であります。
 来年度の中学校の希望状況を見ると、今年以上に一部の中学校に希望が集中し、希望校に入学できない生徒が続出しそうな状況であります。こうした状況は、決して好ましい状況ではないと思いますが、教育委員会は何か対策を講じているのでしょうか。(「選択制やめればいい」との声あり)
 現在は、情報公開の時代であり、可能な限り行政が持っている情報をガラス張りにすることが求められております。葛飾区議会においても、本会議や委員会の議事録がホームページ上で公開されておりますが、教育委員会の議事録は公開されておりません。(「あるよ」との声あり)
 しかしながら、隣の足立区を初め板橋、練馬、文京、港、杉並、中野区など東京23区では、約3分の1の区で議事録の詳細がホームページで公開されています。教育委員会は、教育行政の執行機関であり、その重要性を考えると、教育委員が事務局からどのような報告を受けているのか、そして、どの委員がどういう発言をしているのか公開する必要があると思います。ぜひともほかの区が行っているようにホームページで公開すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 平成21年度には、新たに中央図書館が完成いたします。私は、この中央図書館をぜひとも日本の市区町村の自治体で一番すばらしい図書館にしてもらいたいと思っております。
 現在、葛飾区立の図書館では、容易に外部からインターネットを通じて図書館にある書籍等の検索や予約できるシステムはすごく便利で、好評であります。また、休館日に関しても、数年前から祝日を開館したり、葛飾図書館では、今年度から、これまで休館日だった月曜日を開館するなど、サービスの向上が図られていると思います。
 また、中央図書館オープンに向け、平成19年度予算に、今までとは別枠で図書資料購入経費を計上しておりましたが、ほかの区立図書館においても、引き続き図書資料の充実を強く要望いたします。
 そして、より使いやすい図書館にするためには、改善すべき点もあります。区立の図書館は、12月29日から1月3日までの6日間、続けて年末年始の休みになります。普通の会社員の方は、ちょうど12月29日から休みという方が多いと思いますが、せっかくの休みの間に読書をしよう、調べ物をしようというときに休館というのは、いかがなものかと思います。今では、コンビニエンスストアはもとよりスーパーマーケット等の大規模小売店は、年中無休が普通になっております。私は、すべての図書館を年中無休にしろとまでは言いませんが、一部の図書館だけでも開館するなど、利用者の立場に立った運営を行うべきであると思いますが、いかがですか。
 また、中央図書館のオープンを契機に開館時間の拡大を検討していたと思いますが、結論は出たのか、お伺いをいたします。
 また、情報化社会を迎えた今日、葛飾区立の図書館にもITを活用した資料の提供が始まる点は評価したいと思います。それに伴い、各図書館に2台パソコンを配置するとのことでありますが、今後ともぜひとも推進をしていただきたいと存じます。
 そして、現在、都立図書館など一部の図書館では、利用者が持ち込むノートパソコンを無線LANなどの設備でインターネットにつなげるサービスを行っているところもあります。平成21年度には中央図書館がオープンいたしますが、このような無線LANなどの環境整備等は考えておられるのでしょうか。
 次に、大学誘致についてお伺いをいたします。
 私も地元の議員として、大学誘致には強い関心を持っております。区長の冒頭あいさつの中には、平成19年度中の合意形成に向けて精力的に協議を行っていくとの発言がございました。今年こそが、この大学誘致の成否を決める重要な年になると思います。
 大学誘致に関しては、1月の総務委員会、そして区長の冒頭あいさつにもございましたように、厳しい状況下での都市再生機構との話し合いを進めているとのことでありますが、もし仮に話がまとまった場合についてのお尋ねをさせていただきます。
 大学誘致に関して住民の注目するところは、財政支出の点であると思います。昨年9月の総務委員会で、大学固有の敷地、建物については一切補助するつもりはない旨の発言がございました。葛飾区は、大学の用地に関しては葛飾区が一括して購入し、順天堂大学に譲り渡すとのことでありますが、一時的にせよ葛飾区が購入するとなると、数百億円という膨大な資金が必要になるわけでありますが、その資金をどうするのか、まずそのスキームをお伺いしたいと存じます。
 また、大学の用地は、最大11万平方メートルであることが明記されております。その中には、2万平方メートルの公園として整備されるところやグラウンドもあり、グラウンド等は区民と共用で使用するという話も聞くわけでございますが、順天堂大学が実際に購入すると想定される大学固有の敷地は何平方メートルになるのか。そして、公園等残りの土地は補助金を利用するとも聞いておりますが、具体的にどうするのか、最終的な葛飾区の負担は幾らになるのか、もしくはすべてを国や都の補助金で賄えるのか、お示しいただきたいと存じます。
 平成22年度に、京成金町線の高砂駅が高架化されることになりました。このことによって、京成金町、柴又駅の利用者にとりましては、朝夕の上野や押上までの直通運転がなくなり、不便になります。
 しかしながら、その一方で、京成電鉄株式会社は、高砂駅に金町線専用ホームができることによって、増便も可能であると説明しております。京成金町線の昼間の列車本数は1時間に3本という、東京23区内とは思えないほど極めて少ない本数であり、利用者も不便で利用しにくい状況でしたが、これを契機に、ぜひとも金町線の増便を期待するものであります。葛飾区においては、ぜひとも積極的に京成金町線の増便の要請を京成電鉄にすべきであると思いますが、いかがですか。
 さて、もうじき卒業式のシーズンが到来いたしますが、今回の卒業式と同時に閉校になる学校があります。それは、都立学校の統廃合により、今年度をもって閉校となる都立水元高校であります。私自身も水元高校の最後を見届けるべく、3月3日の卒業式、そしてその後に行われる閉校式に出席させていただく予定ですが、地元の水元高校がなくなるのは寂しい思いがいたします。それと同時に、この水元高校の跡地がどうなるかというところに住民の皆さんの関心がいっております。
 葛飾区は、元気満10プロジェクトの中でフィットネスパーク構想を打ち出しており、隣接する温水プールや水元体育館と一体となった運動公園をつくるとしております。しかしながら、現在の土地所有者は東京都であり、葛飾区がフィットネスパーク構想を実現するためには、東京都から土地を譲渡してもらわなければなりません。現在、東京都との折衝はどうなっているのか、お答えください。
 最後に、新宿六丁目三菱製紙工場跡地についてお伺いいたします。
 新宿六丁目は、都市再生機構が三菱製紙から譲渡を受け、現在も一部を除いて所有しております。
 現在、A街区については、先ほど触れさせていただきましたとおり、葛飾区が都市再生機構と大学誘致に向けて交渉中であり、C街区については、今年1月に都市再生機構が入札を行い、住友不動産が土地を収得いたしました。B街区は、その土地の一部を社会福祉法人が特別養護老人ホームの建設のため、土地を収得いたしました。しかしながら、残りのB街区については、いまだに具体的な用途、条件など、都市再生機構からは示されておりませんが、B街区の計画はどうなっているのでしょうか。このB街区は、A街区の大学誘致ともリンクをしているのかどうか、お伺いいたします。
 以上で、私の質問は終了させていただきます。答弁いかんによっては、再質問をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(小用 進議長) 区長。
〔青木 勇区長 登壇〕
○(青木 勇区長) 小林議員のご質問にお答えをいたします。
 まず、格差問題についてでございます。
 バブル経済崩壊後の長い不況の中で、各企業が痛みを伴うリストラを断行し、経営の立て直しを最優先に行ってまいりました。当然のことながら、企業が立ち行かなければ、そこに働く社員の待遇改善もないわけでございます。
 本区も同様に、税収が落ち込みまして、安定した行政サービスの提供や新たな課題への対応が困難な状況が続きました。こうした厳しい状況に直面をした中で、第1次、第2次にわたる経営改革の取り組みを通じて、約700人に及び職員定数の削減を行いました。これまで職員が担っていた業務を民間事業者や非常勤職員等にゆだねることで、総人件費の抑制を図りながら、健全な財政基盤の確立に努めてまいったところでございます。
 本区におきます非常勤職員の給与水準は、必ずしも不適正なものであるとは考えておりませんが、最近では、お話にありましたいわゆる格差問題やワーキングプアが社会的な問題として大きく取り上げられるようになってまいりました。これに対応するため、例えば政府では、今年2月に成長底上げ戦略構想チームを発足をさせて、安定的な経済成長の持続や再チャレンジ支援施策の一環として、人材能力の開発、就労、中小企業対策という3点を柱にして、成長底上げ施策を重点的に取り組むための議論をスタートさせたところでございます。
 本区といたしましても、こうした国や民間企業の動向を見守りながら、引き続いて本区の非常勤職員の報酬水準をさらに適正なものとなるように努めてまいりたいと考えております。
 次に、大学誘致についてのご質問にお答えをいたします。
 この件につきましては、昨日、米山議員の代表質問でも取り上げられておりますので、お答えが重複することもあろうと思いますが、ご了承をいただきたいと思います。
 まず、土地購入資金のスキームや区の負担等についてのご質問にお答えをいたします。
 区では、順天堂大学から、平成18年9月5日付の文書によりまして、新宿六丁目地区三菱製紙株式会社の中川工場跡地にスポーツ健康科学部を中核とした大学の移転、進出をしたいという旨の意向を確認できたということから、当該用地の所有者であります独立行政法人都市再生機構と、土地利用計画の転換及び当該用地の譲渡価格について協議を重ねているところでございます。
 この協議に際しまして、都市再生機構は、譲渡価格については、近傍取引事例を勘案した適正な価格という考え方を示してまいりました。当該新宿六丁目の土地取引事例だけを見ますと、B街区の特別養護老人ホームが1平方メートル当たり約60万5,000円、先日行われたC街区で1平方メートル当たり約77万5,000円という金額で落札をされたものでございまして、取引価格として極めて高いものと認識をしております。
 大学誘致に際して、区といたしましては、大学が大学として固有に必要とする用地については、みずから購入をしてもらうことを想定をしていることから、仮に区が購入可能価格であると判断をした場合でも大学が購入できないという場合が十分に想定をされることから、可能な限り低廉な譲渡価格の合意形成を図っていかなければならないものと考えております。
 また、当該用地の譲渡方法につきましては、都市再生機構が、一大学に直接随意契約で譲渡することは困難であるという認識を示していることから、一つの方法として、区が必要とする用地と大学が固有に必要とする用地の全部について、一括して区が譲渡を受け、その後、大学が必要とする用地を大学に転売していく方法について検討をしてまいりたいと考えております。
 また、その用地の購入方法につきましては、当該用地の土地利用計画を踏まえまして、土地開発公社の活用あるいは国・東京都の補助制度、基金や地方債の活用など、可能な限りの財源対策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、順天堂大学が実際に購入すると想定される大学固有の敷地面積についてのご質問にお答えをいたします。
 現在、順天堂大学側からは、当該用地約11ヘクタールを活用したい旨の意向が示されているわけでございますが、大学が必要とする固有の敷地面積については、いまだ明確に示されている状況にはございません。区といたしましては、大学が大学として固有に必要とする用地についてはみずから購入してもらうこと、また、広く区民に開放され、日ごろから区民と大学とで共用できる部分については区が購入をして所有していくことも含めて、今後、大学との具体的な協議を進めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、当該用地の購入には多額の経費が必要となることから、当該用地の譲渡価格の合意形成を進めながら、具体的な土地利用計画や活用方法、必要な敷地面積等につきまして、今後、大学側と十分な協議を進めてまいりたいと思います。
 その他のご質問につきましては、教育長及び所管の部長から答弁をいたさせます。
○(小用 進議長) 教育長。
〔山崎喜久雄教育長 登壇〕
○(山崎喜久雄教育長) 環境教育についてのご質問にお答えいたします。
 本区では、小学校29校、中学校16校が、総合的な学習の時間のテーマとして環境を取り上げており、指導時間は、学校や地域の実態等によってさまざまな状況であります。
 学習内容といたしましては、小学校では、地域の自然やリサイクルなど身近な生活の中から問題をとらえる学習を、中学校では、地球温暖化やごみ問題など身近な問題を地球的な視点からとらえる学習を進めております。
 また、特別活動などで行われるリサイクル活動の取り組みを含めますと、ほぼ全校で環境教育について取り組んでいることになります。
 教育委員会といたしましては、これからの社会を生きていく子供にとって、環境問題を正しく理解することは極めて重要なことであると認識しておりまして、今後とも環境教育が各学校で推進されるよう、働きかけをしてまいりたいと考えております。
 次に、学校選択制度についてのご質問にお答えいたします。
 本区の学校選択制度の導入は、平成15年度から中学校において、平成16年度から小学校において実施をしております。年々、学区域外の学校を選ぶ児童・生徒が増加して、中学校では約30%を占めるまでに至っております。
 その結果、希望者が多い学校とそうでない学校が発生し、一部の中学校では抽選をしなければならない状況になっております。また、昨年度は、最後まで待機していた補欠登録者が、希望校に入学できないという事態も起きてしまいました。これは、学校の受け入れ数をはるかに超える希望者が出たことによるものであります。もともと学校の施設規模というものは有限でありますことから、常にすべての希望者を受け入れる体制を整えるということは不可能であると言えます。
 本区の学校選択制度の導入に当たっては、余裕教室の範囲内で受け入れる学級数を決めることを前提としており、校舎の増改築等を行うことまでを想定してはおりません。学校の施設規模の範囲内での募集ということは、学校選択制度が抱える宿命的な課題でありまして、希望者のすべてを受け入れるために施設整備を行うというのは、極めて困難な問題であると考えます。
 一方、学校選択制度の導入によって、それぞれの学校が特色ある学校づくりや魅力ある学校づくりに取り組み、子供たちに選んでもらえるよう、よりよい教育を目指して努力しております。
 また、学校は、地域が支えていかないとよりよい教育が行えないことから、地域に開かれた学校づくりが一層進んでおります。
 このように、学校選択制はプラスの効果も大きくあり、保護者からの評価も高いことから、教育委員会といたしましては、マイナス面の課題を解決しながら、円滑な学校選択制度となるよう今後とも努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○(小用 進議長) 総務部長。
○(髙橋計次郎総務部長) 初めに、専門非常勤職員についてのご質問にお答えいたします。
 まず、本区におきましては、専門的分野などにつきまして、専門的知識、技術を有する人材を活用するとともに、先ほど区長から申し上げましたとおり、第1次、第2次の経営改革を通じ、約700人の職員を削減してまいりました。これまで職員が担っていた業務を民間委託や非常勤職員などに代替することにより、総人件費を抑制し、その原資を真に必要な行政サービスに振り向けてまいりました。
 当初の報酬の設定につきましては、その職責、職務内容、勤務日、民間企業の動向などを総合的に判断し、決定してきたものでございます。
 次に、お話の報酬の引き下げについてでございますが、非常勤職員についても、その時々の社会情勢に応じた適切な報酬とするのは当然であります。官民の賃金水準の比較を行っている特別区人事委員会勧告を反映させることにより、報酬の水準を適正なものとしております。
 したがいまして、勧告がプラスの際は引き上げ、マイナスの際は引き下げを行っております。
 お話にありますように、一部の職種におきましては、待遇面などから、非常勤職員の流出があることは事実でございます。しかしながら、報酬の改定に当たっては、他団体との単純な報酬額の比較のみではなく、免許、資格や専門性、熟練性、経験などを要する職かを考慮するとともに、比較的高い専門性や熟練性を要求される職については、労働市場の需給関係から採用できるかなどを総合的に判断して決定しております。
 次に、昇給につきましては、非常勤職員の任期が1年となっており、雇用の更新を行っても職責や職務が変わらないことから、昇給を行うことはなじまないと考えております。来年度に向け、給食調理員についても、こうした観点から見直したものでございます。
 今後とも、民間や他団体の動向を見きわめつつ、業務の内容に応じた適切な報酬といたしたいと考えております。
 次に、徴収嘱託員に対し、短い期間の任用を行うことができる、特に必要と認められる場合の質問にお答えいたします。
 徴収嘱託員の任用期間については、葛飾区徴収嘱託員設置要綱において、特に必要があると認められる場合は、通常より短い期間の任用を行うことができると規定しております。任用期間を短縮する特に必要があると認められる場合は、内規で定めており、全嘱託員にも周知しているところでございます。
 その中で、任用期間を短縮する事由の1点目は、業務成績不良の場合で、任用更新時期である年度末の直前、6カ月の徴収額が他の者と比較して著しく低い嘱託員には、任用期間を6カ月間に短縮します。実際の運用については、任用更新を行う半年ほど前から、当該嘱託員に対して継続して業務成績を向上するよう指導を続け、なおも業績が改善されない嘱託員に任用期間の短縮を行っております。
 さらに任用期間短縮を行うに当たっても、当該6カ月間の任用期間中に成績を上げるよう継続して指導し、次回更新時においてなおも改善が見られない場合は、任用を更新しない旨告知します。
 2点目は、徴収票等個人情報の紛失などの業務処理ミスや素行不良があった場合にも、任用期間を6カ月間に短縮します。当該6カ月の任用期間内において同様のミスや素行不良があった場合には、設置要綱の規定に基づき、適格性欠如として解職する旨を告知します。いずれの場合も、当該6カ月間の任用期間中に改善が見られた場合は、通常の任用期間に戻しているところでございます。
 以上でございます。
○(小用 進議長) 教育次長。
○(小川幸男教育次長) 東京都が策定した公立学校運動場芝生化計画についてのご質問にお答えいたします。
 この計画は、都市のヒートアイランド対策として、平成19年度から10年間で都内約
 2,000校の公立学校のすべての校庭を芝生化するという計画でございます。
 葛飾区では、ヒートアイランド現象の緩和を初め、子供たちが伸び伸びと遊び、スポーツを楽しめるオープンスペースを確保するため、平成17年度に、東京都のモデル事業を活用して高砂小学校の校庭の一部を芝生化いたしました。学校からは、校庭に出る子供がふえ、けがの心配をせずに自由に遊び、スポーツを楽しんでいること、また、校庭に面した教室が涼しくなったなどの報告を受けております。
 しかし、校庭を芝生化するには、工事については東京都の補助事業を活用することができますが、芝生を適正に管理するために多くの手間がかかります。
 このため、高砂小学校で行っている地域やPTAの皆さんによるしばふの会のような維持管理を行う仕組みをつくっていただくことを進めながら、校庭の芝生化を検討してまいりたいと考えております。
 次に、平成19年度以降の校庭芝生化の計画についてでございますが、これまでに実施してきた高砂小学校や来年度実施予定の金町小学校における検証結果を把握しながら、維持管理体制の構築を含めてさらに検討してまいりたいと考えております。
 次に、教育委員会議事録の公開についてのご質問にお答えいたします。
 教育委員会の会議は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第13条第6項の規定により、原則として公開するものとされています。これを受けまして、現在、本区では、会議当日における傍聴という方法により、会議を公開しているところでございます。
 ご質問の会議録のホームページ上での公開につきましては、現在、23区のうち11区において何らかの形で実施しております。
 本区におきましては、ホームページ上で会議録自体の公開はしておりませんが、会議の開催に先立って議事日程を掲載し、会議終了後、ただちに議決の結果などを公開しているところでございます。
 お話にありましたとおり、情報化が進んでいる今日、区民に開かれた透明性の高い教育行政を進めるためには、会議録をホームページ上で公開することは、時代の要請であると認識をしております。
 現実的には、会議録のテープ起こしをどのように行うのかという問題があるわけですが、今後、他の自治体の取り組み例も参考にしつつ、公開の内容や時期、必要となる経費などにつきまして、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、図書館の年末年始の開館についてのご質問にお答えいたします。
 葛飾図書館では、これまでも開館日の拡大や開館時間の延長を図ってまいりました。今年度につきましても、月曜休館の廃止や曝書期間の短縮などにより、昨年と比べて57日間の開館日数の拡大をいたしました。
 一方で、新中央図書館は駅前の好立地にあり、商業施設との複合施設でもあることからさまざまな人の利用が見込まれており、年末年始の利用についても需要が出てくるものと考えられます。新中央図書館開館に当たりましては、こうした需要や開館に伴う経費などについて十分検討していくとともに、開館時間の延長につきましても検討していきたいと考えております。
 次に、インターネット利用環境の整備につきましてお答えいたします。
 IT社会の進展に伴い、図書館でのインターネットによる情報提供の需要が高まっております。現在、ビジネス支援事業の一環といたしまして、地域間にインターネットを利用できるパソコンを各2台設置し、数種類のデータベースを利用できるようにしております。新中央図書館では、これをさらに拡大して、多くの方々が自由にインターネットによる情報の活用をできるように整備してまいりたいと考えております。
 また、利用者自身が持ち込んだパソコンにつきましても、インターネットに接続できる環境を整えてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○(小用 進議長) 都市整備部長。
○(久野清福都市整備部長) 金町線高架化工事に伴う利用者の利便性向上についてのご質問にお答えいたします。
 今回の対策工事は、高砂駅付近における踏切の遮断時間の増加防止と鉄道の安全性向上の観点から、当面の措置としてはやむを得ないと考えておりますが、お話にもありましたように、金町線利用者に対してはご不便をおかけする面もあると思います。この点につきましては、京成電鉄としても、今回の工事に際して、金町線のダイヤ編成を見直し、利用者の利便性向上を図る旨公表しているところであり、区といたしましては、利便性向上策が京成電鉄において確実に図られるよう引き続き要請してまいります。
 次に、新宿六丁目のB街区の計画についてのご質問にお答えいたします。
 新宿六丁目地区のB街区は、面積が約2.2ヘクタールで、医療福祉施設や文化交流施設、また、都市型住宅など多様な都市機能導入により、複合的な土地利用を目指している街区であります。
 既に街区の北西部分約3,500平方メートルにつきましては、社会福祉法人藤寿会が特別養護老人ホーム整備用地として取得し、現在、施設整備に向けた準備手続等を進めているところです。
 なお、B街区の残りの土地につきましては、都市再生機構より、A街区と同時期に土地の譲渡を行いたい意向であると聞いております。
 以上でございます。
○(小用 進議長) 政策経営部長。
○(柏崎裕紀政策経営部長) 都立水元高校跡地の活用に関する東京都との折衝の状況についてのご質問にお答えいたします。
 水元高校の跡地につきましては、お話にありましたとおり、かねてより健康づくりや子供たちから高齢の方まで幅広くスポーツを楽しむための拠点となる健康運動公園として活用してほしいという地元からの強いご要望を踏まえ、区民がいつでもだれでも気軽にスポーツを楽しむことができるフィットネスパークとして活用することを基本計画に位置づけたところでございます。
 区といたしましては、こうした考え方に基づき、水元高校跡地の区への譲渡について、地元の町会や都議、区議の皆様とともに、東京都に対して数回にわたり強く要請してまいりました。
 水元高校は、平成19年3月に廃校予定でありますが、現段階では、跡地の活用について、東京都からは、教育施設として引き続き活用したい旨の意向は示されておりますが、その具体的な方向性や今後のスケジュール等について明確な方針は示されておりません。
 区といたしましては、今後とも引き続き地元の皆様、また、地元の議員の方々と十分な連携を保ちながら、フィットネスパーク構想の実現に向け、東京都に対して一層粘り強く要請を継続してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○(小用 進議長) 23番、小林ひとし議員。
〔23番 小林ひとし議員 登壇〕
○3番(小林ひとし議員) 総務部長に対し、2点再質問をさせていただきます。
 まず、総務部長は、非常勤職員の流出について一部とおっしゃいましたが、私は一部ではないというふうに聞いております。確認の意味を込めて質問いたしますが、現場では流出対策をしっかりとやってほしいという強い要望がありますので、現場の声を聞いてしっかりとやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 そしてもう1点目は、非常勤職員の賃金と特別区人事委員会の勧告をリンクさせる理由について、法的根拠の部分の答弁漏れがあったと思いますので、その辺、ないという認識でよろしいのか、的確にお答えいただきたいと思います。
○(小用 進議長) 総務部長。
○(髙橋計次郎総務部長) 非常勤職員の現状につきまして、現場の声を聞くようにということでございますので、これにつきましては、十分そういったことを調査した上で、今後の対応方も考えていきたいというふうに思います。
 それから、人事委員会勧告をなぜ非常勤職員に適用するのか、適用ということではありませんけれども、参考にして決めているわけでございますが、基本的に公務員は、(「部長、法的根拠の部分だけでいいですから」との声あり)この民間準拠というのが基本的な考えでございますので、公務員とは何も一般職の公務員だけではないということで、我々の方は参考にして決めさせていただいている。法的根拠というならば、それを規定している地方公務員法ということになります。