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平成19年第3回定例会一般質問

お許しをいただきまして、私は、民主党葛飾より、区長並びに関係部長に、通告に従い、区政一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、防災問題について質問させていただきますが、7月16日に発生いたしました新潟県中越沖地震で犠牲になられた方々に対しお悔やみ申し上げるとともに、被害に遭われた多くの皆様方にお見舞い申し上げます。
 ここ数年来、日本列島では地震が多発しており、ことしに入ってからも3月には能登半島で、そして7月には新潟県中越沖でそれぞれ震度6強の地震が発生いたしました。関東大震災も前回の発生から既に84年が経過し、地震の周期としていつ起きてもおかしくない状況にあり、我々も常に大きな地震に備えておかなければなりません。
 そこでまず、災害時の通信手段である防災行政無線についてお伺いいたします。
 災害時の初動対応においては、情報収集・伝達が重要であります。震災時において有線電話は断線等で、そして携帯電話においても基地局の倒壊や回線のパンクなどで通信できない可能性が非常に高くなります。よって通常とは異なる通信手段を確保しておかねばならないことは言うまでもありません。
 本区においても、アナログ式防災行政無線を備えておりますが、昨今、他の自治体においてはデジタル化への移行が進んでおります。デジタル化のメリットとしては、複数チャンネル化や画像等のデータによる災害情報の収集、避難場所等との情報連絡においても電話のように双方通信が可能になるなどシステム機能の向上を図ることができます。しかも、現在使用している地域系防災無線の周波数の使用期限は、電波法改正により平成23年5月31日までとなっております。いずれにせよ、それまでにデジタル化しなければならないのであれば、前倒しをして導入すべきと思いますが、いかがでしょうか。また、固定系防災行政無線に関しては、デジタル化の予定はあるのでしょうか。
 それから、防災行政無線とあわせて、衛星携帯電話を組み合わせて情報ネットワークシステムを構築している自治体もあると聞きます。備えあれば憂いなしですが、本区においては衛星携帯電話の導入についてはどのように考えているのかお伺いいたします。
 そして、防災行政無線は災害時に使える状況になければ役には立ちませんが、固定系防災行政無線の耐震性やすべての通信機器における停電対策は万全でしょうか。(「そうでもない」との声あり)
 次に、今年の10月より本格的にスタートする緊急地震速報についてお伺いします。
 この緊急地震速報は、既に新幹線などの鉄道施設や病院、工場、一部の民間集合住宅を初め、あらゆる所で先行的運用を行い、被害を免れたところもあると聞いております。たった数秒から数十秒ではありますが、いかに被害を最小限度に抑えるかという減災という面から、使い方によっては大いに役立つと思います。
 10月からは、NHKを初め、当初は慎重であった民放においても速報が流れる予定となっております。自治体によってはこの緊急地震速報の活用法を検討し始めているところもあると聞きます。問題点として、直下型地震の際は機能しないことや、誤報が発生すること、そして、大地震の告知をすることによってパニックが発生する場合があるなど、課題があることも承知しておりますが、本区として活用は考えているのでしょうか。
 次に、高齢者の孤独死についてお伺いいたします。
 昨今、孤独死が社会問題化し、年々その数もふえてきております。都市再生機構のデータによりますと、同機構の賃貸住宅全体における高齢者の孤独死は、平成11年度は94件でありましたが、18年度は326件と3倍以上もふえていることがわかります。核家族化や地域コミュニティの衰退、個人のプライバシーを重視する傾向などさまざまな要因が考えられます。
 隣の松戸市の常盤平団地が舞台となった孤独死を扱ったNHKスペシャルでは、大きな反響がありました。我々の住む葛飾区も、高砂や青戸の団地を初め、至るところに集合住宅があり、とても人ごととは思えませんでした。また、新宿区のように狐独死対策連絡会議を設置し、区を挙げて取り組む自治体も出てくるなど、行政として積極的に対策を講じるところもふえてまいりました。
 本区でも平成17年度から、かつしか・あんしんネットを開始しておりますが、この制度を十分に活用し、また改善すべきところは改善し、ぜひとも孤独死ゼロを目指してがんばっていただきたいと思います。
 しかしながら、どこの自治体も同様ですが、孤独死の実態を把握できていないところがほとんどであります。実態把握をしなければ、検証も、そして新たな対策もとれません。孤独死の概念もまだあいまいであるのも事実でありますが、通常孤独死という場合、ひとり暮らしの人が自宅等でだれにも見取られずに死ぬことであるとされております。ちなみに、孤独死は警察では変死扱いとされ、昨年、葛飾警察署管内で65歳以上の高齢者の孤独死と推察できる変死件数は、本区の福祉管理課を通じて調べていただいたところ、男性47人、女性13人、計60人だったと聞き及んでおります。
 そこで質問いたします。本区では孤独死をどの程度把握しているのでしょうか。警察とも連携し、実態の把握に努めるべきと考えるがいかがでしょうか。
 平成17年度からかつしか・あんしんネットを実施して2年半が経過いたしましたが、現時点での利用者数、そして、この制度によってどれだけの人が救われたのか、利用者の孤独死の有無など、運用の現状を教えていただきたいと思います。そしてまた、かつしか・あんしんネットに登録していない対象者については、民生委員や協力員、協力機関は把握しているのでしょうか。
 次に、高齢者の住宅施策についてお尋ねいたします。
 本区においてもシルバーピアを初め、さまざまな高齢者向けの住宅施策を行っております。しかし特に生活に困窮した方などが対象で、普通の高齢者が何らかの事情で住宅を住みかえようと思っても、本区の高齢者向けの住宅のあっせんはほとんど機能せず、結局はみずから不動産業者を一軒一軒回るしかすべがないのが現実であります。これは、私が実際にひとり暮らしの高齢者に頼まれて区役所の窓口に行った実感であります。
 世田谷区では、今月から、不動産関係団体と協力して高齢者の部屋探しの支援サービスを行うことになりました。私は、今まで葛飾に住み続け、身寄りがいないひとり暮らしの老人が安心して住み続けられる葛飾にしてほしいと思っております。そのためにも、ぜひ本区でも高齢者に親身に住宅探しのお手伝いをするサービスを検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、児童虐待についてお伺いいたします。
 児童虐待が昨今全国的に増加の一途をたどっております。厚生労働省の調べでは、平成18年度に全国の児童相談所が対応した虐待件数は過去最多の3万7,000件に上りました。平成16年の児童虐待防止法改正では市区町村の役割が明確化され、また、来年4月からは児童相談所に家庭への強制立ち入り調査を認めることとなりました。
 こうした状況を踏まえ、本区も児童虐待防止に向け積極的に取り組んでいることと思います。子育て支援事業と統合し、妊娠・出産から育児期まで一貫したサービスをする予定の子ども総合センターの整備は高く評価できます。建物等、ハードの部分はこれで充実すると思いますが、問題はソフトの部分、職員の対応や連携の部分が本当にうまく機能しなければ、児童虐待を防ぐことは出来ないと思います。
 そこで、4点ほど質問をさせていただきます。
 全国的に児童虐待が増加しておりますが、本区における児童虐待の現状はいかがでしょうか。
 また、児童虐待の中でも、ネグレクト、育児放棄が多いと聞いております。ネグレクトの場合、どこからが児童虐待になるかという線引き、判別も難しく、しかも、親に養育の知識や経済力の不足など、子供を育てられない明確な理由がないのに育児を放棄する積極的ネグレクトと、親の経済力が不足していたり、精神的疾患を抱えている、知的障害があるなどの理由で育児ができない消極的ネグレクトがあるそうですが、具体的にこのネグレクトに対し、どのような対応、支援をしているのでしょうか。
 法改正で児童相談所は権限が強化され、役割がふえておりますが、子ども家庭支援センターとの役割分担はどうなっているのでしょうか。
 本区も虐待防止や早期発見に力を入れておりますが、実際に乳幼児健診等でどの程度発見できるのでしょうか、お答え願います。
 次に、中学校の職場体験をよりすばらしいものにするために質問をさせていただきます。
 職場体験は、これまでモデル校で5日間、そしてその他の学校においても3日間程度実施し、いよいよ来年度からは全校実施する予定になっておりますが、3日間の実施でさえ、職場体験のために確保した時間を十分有効に活用できずに、学校で待機させられている生徒がいると聞いております。また、受け入れていただく事業所もこれまで以上に増やしていかなければならないわけですが、受け入れ側の体制は順調にいっているのでしょうか。
 また、全校実施に当たっては700カ所ほどの事業所がないと難しいとおっしゃっておりましたが、現時点で受け入れが確定した事業所の数はどれくらいあるのか、教えていただきたく存じます。
 そして、全校実施をする場合、学校においても限られたスケジュールの中で、授業や行事の合間に実施するとなると、今でさえ近隣の学校間で時期が重なったりすると、受け入れ企業の取り合いになってしまう場合もあると聞いております。来年度全校実施に当たって教育委員会等で実施期間や受け入れ企業の調整などは行うのでしょうか。
 それから、この職場体験は、現在、賠償保険は予算化されておりますが、モデル校以外では生徒の交通費等も予算化されておらず、学校の教員の事前準備などの予算とあわせて予算化してほしいという声が聞こえてきますが、全校実施に当たって教育委員会としては予算措置するつもりはあるのかどうか、お伺いします。
 また、職場体験とともにボランティア体験も実施をしておりますが、ボランティア体験については何も予算措置がないと聞いております。ぜひとも、ボランティア保険のような公的保険の加入、そして体験先の確保、連絡、事前指導・ガイダンスの経費、生徒の交通費の公費負担の予算化をお願いしたいがいかがでしょうか。
 次に、学校図書についてお伺いします。
 近年、日本の子供の読解力が懸念されている中、本区ではいち早く読書推進に力を入れ、保護者、地域の方にも協力をいただき、学校図書の充実を図り、そして、今年度からは司書の資格を持つ学校図書館支援指導員をすべての学校に配置したことは非常に評価できます。この学校図書館支援指導員の全校配置は、他の自治体議員からも非常にうらやましがられるほどでありますが、配置前と比べ、児童・生徒がどのように変わったのか教えていただきたく存じます。
 次に、フィットネス・パーク構想、大学誘致についてお伺いいたします。
 葛飾区の北部に位置する金町・水元・新宿地区は、金町駅の南口の再開発を初め、駅の東側の南北通路、三菱製紙跡地、そして水元高校の跡地と、これまでにないペースで街づくりが進んでおり、私も地元の議員として、住みやすいまち、すばらしいまちにしていきたい、そういう思いで、ことしの第1回定例会でも同様の質問をさせていただきましたが、再度質問をさせていただきます。
 都立水元高校は今年の3月をもって歴史に幕を閉じ、閉校後は学校の門は閉ざされ、これまで地元開放で使えた校庭も実質的に利用できなくなりました。本区はフィットネス・パーク構想を掲げて東京都教育庁とこれまでも交渉を続けており、大詰めを迎えているのではないかと推察いたしますが、交渉の状況はいかがでしょうか。東京都との交渉においても、ぜひともこれまでの経緯を十分に尊重し、地元住民の皆様が納得のいく解決策を見出していただきたく存じます。
 そしてグラウンドや体育館の地元開放についても東京都と協議をしていることと思いますが、どういう状況なのでしょうか。早急に地元に開放できるよう努力していただきたくお願い申し上げます。
 フィットネス・パーク構想の具体的な中身、まずその敷地についてお伺いいたします。
 水元高校の跡地は水元中央公園と道路を隔てて隣接しておりますが、水元中央公園も含めてこのフィットネス・パーク構想を検討するのでしょうか。また、道路のつけかえ等は考えているのでしょうか。
 次に、施設についてお伺いいたします。
 現在老朽化している体育館、温水プールの建て替えは当然でありますが、ぜひとも地元の方が使える地域集会室のような施設やバリアフリーなど、障害を持った方々も使いやすい施設にしてほしいと思いますがいかがでしょうか。いずれにせよ、しっかりと地元の皆さんの意向を酌んだ、地域と一体となった施設の建設を望むものであります。
 そして、大学誘致に向けた交渉のほうも大詰めを迎えていると思いますが、都市再生機構との交渉の状況はいかがでしょうか。そして、仮に大学誘致が実現し、スポーツ系学部が新宿六丁目に進出した場合、区民と共用スポーツ施設をつくるとなると、水元高校の跡地に想定しているフィットネス・パーク構想と重複してしまうと思いますが、これらを一体として整備するのでしょうか。
 最後に一言、私が今質問いたしました水元高校の跡地のフィットネス・パーク構想、そして新宿六丁目の大学誘致、双方とも正式に決定した暁には、近隣住民を初め区民の皆様に対し、これまでの経緯を含めきちんと説明を行い、理解を求め、住民の意見に真摯に耳を傾けることを要望し、質問を終わります。なお、答弁漏れ、もしくは答弁いかんによりましては再質問をさせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○(杉浦よう子副議長) 区長。
〔青木 勇区長 登壇〕
○(青木 勇区長) 小林議員のご質問にお答えいたします。
 初めに、葛飾区の児童虐待の現状についてのご質問でございます。
 全国的に児童虐待が増加をする中で、本年6月に、児童の安全確認等のための立入り調査等の強化などを内容とする児童虐待防止法改正が行われておりますが、葛飾区の子ども家庭支援センターで平成18年度に新規に受け付けた相談件数は146件となっております。前年度からの継続とあわせますと263件の虐待相談に応じているところでございます。虐待通告義務の拡大などによりまして件数が急増した平成17年度よりは減少しているものの、虐待相談が多い状況は変わっておりません。
 また、虐待の種別としては、ネグレクトが最も多く、次いで心理的な虐待、身体的虐待が続いております。養育力が弱く、孤立している親や、家庭的にも複雑なケースがふえておりまして、平成18年度に、保護者からの分離が必要と判断して一時保護された児童は20名に上っております。
 葛飾区では、平成15年度に、専任の虐待対策ワーカーを配置した、いわゆる先駆型の子ども家庭支援センターをいち早く設置して以来、要保護児童対策地域協議会の立ち上げや、ことし1月から実施しております育児支援訪問事業など、児童虐待防止に積極的に取り組んでいるところでございます。さらに、現在、仮称子ども総合センターの整備に合わせまして、母子保健と連携しての、虐待リスクの高い家庭への支援等、虐待予防の強化を検討しているところでございます。今後とも、子供の人権にかかわる重要な課題であります虐待防止対策の強化・充実を図ってまいります。
 次に、フィットネス・パーク構想や水元高校の跡地についてお答えいたします。
 都立水元高校につきましては、東京都の教育庁が策定いたしました都立高校改革推進計画に基づいて本年3月に廃校となり、今年度いっぱいは、本年4月に開校いたしました葛飾総合高校の一部として活用をされているところであります。先ほどもお話し申し上げましたが、都教育庁は、本年7月に発表いたしました東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画の骨子案において、就労を目指した知的障害の軽い特別支援学校高等部の増設及び肢体不自由特別支援学校を区部東部に設置するとしておりまして、この水元高校跡地をその対象として検討したい旨の意向を示しております。
 区といたしましては、基本計画に掲げたフィットネス・パーク構想の持つ重要性を踏まえまして、地元の町会や都議会議員、地元区議会議員の皆様とともに、都教育庁に対して要望書の提出を初め、さまざまな要請活動を行ってまいりました。今後とも、地元の皆様、また各議員の方々と緊密な連携を保ちながら、この構想の確実な実現が図られるように、引き続き粘り強く要請活動を行ってまいりたいと考えております。
 なお、水元高校跡地の暫定活用につきましては、現在、地元開放の要望があった場合には、その都度、都教育庁と協議をして活用が図られるように対応しているところでございますが、これまで地域のスポーツ活動等の場として地元に開放されてきた経緯等を踏まえまして、跡地活用の協議と並行して地元開放に向けた仕組みづくりを行っているところでございます。
 次に、新宿六丁目地区における大学誘致の状況についてお答えいたします。
 お話にありましたように、現在、新宿六丁目地区への大学誘致実現を図るべく、新宿六丁目地区のA街区を誘致予定地として、土地の所有者である都市再生機構、東京都及び進出意向を示しております順天堂大学等との調整を続けているところでございます。
 先ほどもお話ししましたが、都市再生機構からは、平成18年12月25日付で、新宿六丁目地区への大学誘致については、現時点では大幅な都市計画変更が必要になることや、住宅市街地総合整備事業との整合性の確保など、実現に多くの課題があること、たとえこれらの課題が解決されたとしても、当該土地を譲渡する場合には、平成19年度中に近傍取引事例を勘案した適正な価格での譲渡となることを条件として、協議をしていく旨の考え方が示されておりますが、大学誘致は、基本計画に掲げた明日の元気な葛飾のまちの実現を目指す高い公共性を持つものであって、必ずしも商業ベースの入札価格とは相入れないものがあると認識しているところでございます。
 これまでの交渉経過や、都市再生機構が示した平成19年度中の譲渡という条件を踏まえた時期的な問題を考えますと、現在、一定の判断を下す大きな局面を迎えているものと認識しております。精力的な交渉を重ねているところでございます。今後さらに交渉を重ね、区議会のご意見を伺いながら、最終的な合意形成を図ってまいりたいと考えております。
 また、現在、進出意向を示している順天堂大学との交渉状況につきましては、都市再生機構との交渉と並行して、大学の進出構想、土地利用方法や進出予定規模等々について引き続き協議を進めておりまして、今後、最終的な進出意向を確認してまいりたいと考えております。
 大学誘致の実現に向けては、まだまださまざまな課題を解決していくことが必要でありますが、区議会のご理解とご協力をいただきながら、今後とも最大限の努力を重ねてまいりたいと考えております。
 その他のご質問について、教育長及び所管の部長より答弁をいたさせます。
○(杉浦よう子副議長) 教育長。
〔山崎喜久雄教育長 登壇〕
○(山崎喜久雄教育長) まず、職場体験に関するご質問にお答えいたします。
 中学生の職場体験は、働くことの意義や職業に対する関心を深め、自分の進路について考える態度を養うキャリア教育の一つとして実施しているものであります。これまで各中学校では、1日から2日間程度の職場体験を行ってきましたが、平成20年度には全中学校で5日間の職場体験実施に向けて取り組んでいるところであります。
 まず、5日間の職場体験を円滑に実施する上で課題となるのは、協力していただける事業所を数多く確保することであります。今年度、事業所の確保に当たりましては、事業所との関係の深い産業経済課と協働で、区内の商工団体、葛飾法人会、官公署、そして幼稚園・保育園など、さまざまな事業所に趣旨の説明を行い、ご理解をいただきながら進めてまいりました。
 本年度5日間の職場体験を行ったモデル校4校では、受け入れを行った事業所が162カ所、1事業所当たり生徒2.6人の割合で受け入れをしていただき、充実した職場体験になったとの報告を受けております。
 また、平成20年度の全校5日間の実施に向けましては、産業経済課で区内一般企業の事業所約2,000カ所に対して受け入れのお願いと意向調査を行い、172事業所から受け入れが可能であるとの回答をいただいております。教育委員会といたしましては、今後も産業経済課と十分に連携を深め、精力的に事業者への働きかけを行い、職場体験を受け入れる事業所の確保に努めてまいりたいと考えております。
 また、近隣の中学校で日程が重なりますと受け入れ事業所が競合する場合も出てまいります。本年度は、5月に各中学校の担当者による連絡会議を行い、近隣の中学校との調整を図ってきたところであります。教育委員会といたしましては、今後とも受け入れ事業所に関する情報を把握するとともに各学校との日程調整を図り、円滑な職場体験が実施できるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、新宿六丁目地区にスポーツ系大学が進出した場合のフィットネス・パーク構想との関係についてのご質問にお答えいたします。
 ご案内のとおり、大学誘致の実現に向けては、まだまだ課題が多くあると聞いておりますが、仮にスポーツ系の大学が新宿六丁目地区に進出した場合のフィットネス・パーク構想との関係につきましては、まず大学の施設計画がどのようなものになるかを見極める必要があると考えております。
 現在、策定しております葛飾区スポーツ振興計画におきましては、新宿六丁目地区にスポーツ系の大学が進出することを想定して、医療、介護、スポーツマネジメント等の学部・学科を有する大学と連携し、大学のスポーツ施設の区民利用や学生・指導者等の派遣・活用など区民のスポーツ活動への支援を図っていくということが記述されております。
 したがいまして、スポーツ系の大学が進出した場合には、この考え方に基づいて取り組んでいくことになりますが、スポーツを行える器がよりふえることは、区民のスポーツ活動がより一層充実したものになることから、教育委員会といたしましては、スポーツ系の大学の進出が決まることを大いに期待しているところであります。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 地域振興部長。
○(高橋成彰地域振興部長) 防災に関するご質問にお答えいたします。
 初めに、地域系防災行政無線のデジタル化についてですが、電波法の改正により、平成23年5月末日で現在使用している無線が使用できなくなることから、新基本計画において地域系防災行政無線のデジタル化を計画事業としております。現在の概算で約6億円という多額の経費を要する事業でありますが、法律改正による期限がありますので、デジタル化を実施してまいりたいと考えています。
 また、固定系無線につきましては、平成23年5月以降も引き続き使用できることから、当面はデジタル化ではなく、区役所の操作卓全体の取りかえの改修を実施してまいりたいと考えております。
 次に、衛星携帯電話を導入すべきとのご質問にお答えいたします。
 大きな震災等により、一般電話や通常の携帯電話が通じにくくなった場合の通信手段として、影響を受けにくい衛星携帯電話が注目されていますが、屋内では使用できない等の限界があり、現在のところ数区が試験的に導入している状況にとどまっております。今後の普及状況も勘案しつつ検討してまいりたいと思います。
 次に、防災行政無線の通信機器の耐震性や停電対策についてお答えします。
 通信機器の親局については、区役所新館5階に設置してあり、建物の耐震性については確保できておりますが、停電対策については、約1日分の蓄電池となっております。今後、通信機器を初め災害対策本部の運営に必要な電力量とその確保策について、調査を進める予定であり、その結果を踏まえて、通信機器等の電源確保に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、区としての緊急地震速報の活用についてお答えいたします。
 10月1日から緊急地震速報の提供がスタートいたします。東京都においても、少しでも早く危険回避を図る観点から、その活用についての方向性を検討することとしておりますので、東京都の取り組みなどを踏まえて、区としての活用を研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 福祉部長。
○(西村政次福祉部長) 高齢者の孤独死についてのご質問にお答えいたします。
 ひとり暮らしの高齢者がだれにも見取られることなく自宅内で死亡し、放置されている、いわゆる孤独死の問題につきましては、その対策の一環として、平成17年度から実施しているかつしか・あんしんネット事業において、その対応を図っております。この事業の中で、民生委員などからの通報により、これまで、衰弱している高齢者等を10件以上発見し、救出を行っております。
 孤独死につきましては、実態が把握しにくい状況でございますが、ご指摘がありましたように、今後とも、警察との連携等により実態把握に努めてまいりたいと存じます。
 次に、かつしか・あんしんネット事業の平成18年度までの利用者数は1,151名ですが、3年毎に実施しているひとりぐらし高齢者実態調査によって、民生委員は、担当地区のひとり暮らし高齢者の健康状態を把握しておりますし、また、調査の結果、病弱であるとか、日常生活において手助けが必要であるとお答えになった方々の情報につきましては、別途消防署にも提供しております。
 かつしか・あんしんネットは、地域全体でひとり暮らし高齢者を見守って、異変を事前に察知し、早期の対応をしていく事業でございますので、孤独死対策としての役割を果たしているものと考えております。したがいまして、今後ともこの事業の活用を図り、警察署、消防署等関係機関とも連携を密にいたしまして、高齢者が地域の中で安心して暮らしていけるよう推進してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 都市施設担当部長。
○(菱沼  実都市施設担当部長) 葛飾区でも高齢者に親身に住宅探しのお手伝いをするサービスを是非とも検討してほしいというご質問についてお答えします。
 民間賃貸住宅においては、高齢者は病気や事故、孤独死等が心配であるとの理由から、入居が拒否される事例が多いのが実情です。そこで、区では、高齢者の円滑な入居を促進し、居住の安定確保を図るため、お部屋をお探しの高齢者から申請があった場合、協力いただいている社団法人東京都宅地建物取引業協会葛飾区支部の不動産店に対して希望の間取り等を伝えるなど、高齢者と不動産店の橋渡しをする事業を行っております。
 また、財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターに登録されている区内の高齢者円滑入居賃貸住宅や高齢者専用賃貸住宅に関する情報提供にも努めているところでございます。
 お話のありました世田谷区で開始した賃貸物件情報提供サービスにつきましては、その実績を調べるとともに、本区で実施可能か検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 子育て支援部長。
○(筧  勲子育て支援部長) 児童虐待のネグレクトに対する対応支援についてのご質問にお答えします。
 幼児や児童を長時間放置している、食事を満足に与えていない、不衛生な室内で養育されているなど、ネグレクトが疑われるような通報や情報提供を受けたときには、まず児童の安全確認を行い、生命に危険を及ぼすおそれがあるような場合は、児童を施設に緊急保護いたします。
 また、子供に対する愛情が感じられ、在宅での養育が可能と判断された場合は、積極的に訪問等を行い、その家庭が持つ子育ての力を発揮できるように、育児相談や簡単な家事援助など、各家庭の状況に即した適切な支援を行います。
 これからも、家族を取り巻くさまざまな人や関係機関との連携のもとに、安定した子供の養育ができるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、児童相談所と子ども家庭支援センターとの役割分担についてお答えします。
 平成16年の児童福祉法改正により、児童相談に関し市町村の役割が法律上明確化され、児童相談所の役割は、要保護性の高い困難な事例への対応や市町村に対する後方支援に重点化されました。具体的には、一般の子育て支援サービス等身近な資源を活用することなどで対応可能と判断される事例については、子ども家庭支援センターが中心となって対応し、立入り調査や一時保護、専門的な判断、あるいは児童福祉施設への入所等行政権限の発動を伴うような対応が必要と判断される事例については、児童相談所が対応することとなっております。
 また、本年1月に児童相談所運営指針、市町村児童家庭相談援助指針が改正され、多くの機関が関与する児童虐待について、関係機関の役割分担があいまいにならないよう、すべての虐待ケースについて定期的な状況確認、主な担当機関の確認、援助方針の見直しを行うことになりました。葛飾区においては、進行管理のための会議を足立児童相談所と子ども家庭支援センターとで毎月行い、個別のケースの役割分担を明確にしていくことといたしました。
 今後とも保健所や警察など多くの関係機関と適切な連携を図り、虐待防止に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 保健所長。
○(東海林文夫保健所長) 保健所における虐待予防対策についてお答えいたします。
 産後の母親は、新たな育児やホルモンバランスの変化によって育児不安や産後うつ病といった心身の変調を来すことがあります。産後うつ病は虐待につながりやすいと言われておりますので、4カ月乳児健康診査のときに、母親に産後うつ早期発見のためのエジンバラ産後うつ病問診票を記入してもらっております。この中で、エジンバラ問診票9点以上の高得点者は13%おり、その中の98.7%の方に面接を実施しております。
 また、乳幼児の身体計測や診察で、発育不良や身体的に不自然な傷跡などから虐待の疑いを見つけ出すことなどによって、虐待の早期発見に努めておりますが、近年では、そのような事例は発見されておりません。
 このようなエジンバラ高得点者に対する保健師の面接・指導などフォローアップを通した虐待予防のシステムから、虐待事例が発見されていないことから、乳幼児健診などの虐待早期発見の取り組みは有効であると考えております。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 教育振興担当部長。
○(鹿又幸夫教育振興担当部長) 職場体験の経費に関するご質問にお答えいたします。
 職場体験の受け入れ事業所が、生徒を安心して受け入れることができるように、生徒が事業所等に損害を与えた場合に備えまして、東京都の負担により賠償保険に加入しております。また、職場体験中に生徒が負傷等をした場合には、学校管理下における活動として、日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象になります。
 本年度に実施したモデル校につきましては、事前準備に要する通信費などの経費を初め、生徒が交通機関を利用する場合の交通費を区で負担しているところでございます。
 教育委員会といたしましては、平成20年度の全校実施に向けて、職場体験が円滑に実施できますよう、必要な経費負担についても今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、ボランティア体験についてお答えいたします。
 各学校では、総合的な学習の時間や長期休業日などを活用してボランティア体験を実施しております。これらは、学校管理下で行われていることから、体験中に起きた生徒の事故等については、日本スポーツ振興センターの災害共済給付の適用となります。また、ボランティア活動に限らず、あらゆる学校教育上の活動で生徒による他者へ損害が発生した場合には、教育委員会として賠償ができるよう、対応してまいりたいと考えております。
 教育委員会といたしましては、ボランティア体験が生徒の心の成長にとって重要な取り組みであることから、今後とも充実した体験活動ができるようにさまざまな支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、学校図書館支援指導員についてのご質問にお答えいたします。
 子供たちの読書活動を進めるに当たりまして、児童・生徒一人一人が読書の楽しさを味わったり、総合的な学習の時間の調べ学習で学校図書館を利用したりするなど、学校図書館の果たす役割は大きいものがあると考えております。
 平成18年度には、学校図書館システムを全校で導入いたしましたが、今年度は学校図書館支援指導員を拡充して全校に配置することとしております。この学校図書館支援指導員の配置によりまして、まず、本の紹介コーナーを初め、壁面装飾、本の種類別表示や図書の整理状況が改善され、児童・生徒が利用しやすい図書館環境の向上が図られております。
 また、区立図書館と連携してブックトークなどの企画を実施するなど、生徒の興味・関心を高める活動もふえたと報告を受けております。
 教育委員会といたしましては、今後とも、子供たちの読書活動がより活発になり、楽しく学校図書館が利用できるよう、学校図書館支援指導員の活用を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○(杉浦よう子副議長) 教育次長。
○(小川幸男教育次長) フィットネス・パーク構想の具体的な内容についてのご質問にお答えします。
 水元高校跡地を活用したフィットネス・パーク構想は、老朽化している水元体育館の改築に合わせて、区民の健康づくりや仲間づくりのために、いつでも、だれでもが気軽にスポーツを楽しめる運動公園として整備していこうという構想であります。もちろん、この構想の具体化に当たりましては、東京都が本区の考え方に沿って水元高校の跡地に関する決定をしてもらう必要があり、現時点では、区として具体的な計画案をお示しすることができない状況であります。
 しかし、このフィットネス・パーク構想の実現に当たっては、水元高校跡地、水元体育館、温水プール、そして水元中央公園を加えた周辺地域全体を再配置、再整備することで、スポーツの振興、地域のまちづくりの両面において大きな効果を上げることができるものと考えております。
 このように一体的な整備を行う場合には、お話にありましたように周辺道路も含めた検討が必要となりますが、その際には地域住民のご意見も聞きながら進めていくことが大切であると考えております。
 また、社交ダンスのできるホールやバリアフリーなど具体的な施設機能につきましては、具体的な計画をつくる段階で区議会やスポーツ関係者、地域の皆さんのご意見を、十分にお聞きしながら検討をしてまいりたいと考えております。