―氏名は非公表、委員会で追及したのは小林議員のみ―
マスコミでも報道されましたが、葛飾区職員(24歳・男性)が窓口で国民健康保険料など約140万円を横領し、逮捕された事件について、区はようやく職員を懲戒免職処分にしたことを正式に発表しました。
しかし、葛飾区は職員の氏名を一切公表しないまま懲戒免職にしました。逮捕そして最も重い懲戒免職に至ったにもかかわらず、区民の皆さんに対する説明責任を果たしていない状況です。
私は7月の総務委員会で「警察から表を控える要請もない中、なぜ逮捕の事実を2か月間も隠し続けたのか」と区の対応を厳しく追及しました。これに対し青木区長は「すぐに公表すべきと思ったが、担当部署との協議により処分後の公表とした」と釈明していますが、トップとして即座に公表の指示をしなかったこと自体が最大の誤りであり、区長の資質を疑わざるを得ません。改めて葛飾区の隠蔽体質が浮き彫りになった形です。なお、この問題を追及したのは委員会で私一人だけでした。今後も行政の透明性と説明責任を果たさせるべく、これからも議会で厳しく追及してまいります。
小林議員の委員会での質疑要旨
【7月8日総務委員会】
小林議員:6月4日に職員が逮捕されたが、なぜ直ちに区は公表しなかったのか。
戸籍住民課長:職員の処分が決定されていなかったため、処分後に公表しようと考えていた。
小林議員:今回の逮捕は業務上横領という重大な職務犯罪である。逮捕という明白な事実を即座に公表しなかった理由は何か。
広報課長:逮捕に関しては警察が主導でリリースすることが通例であるが、今回は警察が公表しない判断をしたため、区としても処分後の公表を選択した。
小林議員:警察から公表を控えるよう要請はあったのか。
広報課長:警察から公表を控えるよう明確な要請はなかった。
小林議員:区は公表できる状況にあったにもかかわらず、区長が公表しない判断を認めた理由は何か。
区長:基本的には公表すべきだと考えたが、担当部署から処分が決定された後に公表したいとの要望があったため、その方針を認めた。
小林議員:逮捕を知りながら総務委員会で報告しなかったのは議会軽視ではないか。
戸籍住民課長:捜査中の案件であり、6月12日の委員会時点では報告できる段階ではなかった。
小林議員:警察から公表を控える要請がなかったにもかかわらず、区が独自に判断して公表せず、総務委員会にも隠蔽した理由を問う。
戸籍住民課長:6月12日の段階では職員本人の自白がなかったため、報告ができなかった。
小林議員:逮捕を知りながら公表を控え、議会への報告もしないのは区の隠蔽体質であり、区民への説明責任を果たしていない。今後の区民への説明とプレスリリースの日程はどうなっているのか。
人事課長:現在、職員本人への事情聴取を予定している段階で、速やかに処分を決定し公表するが、具体的な日程はまだ確定していない。
小林議員:このような対応を続けていると、区の隠蔽体質が強まっているとしか思えない。早急な対応を強く求める。
【6月12日総務委員会質疑】
小林議員:書類紛失の期間はどのくらいか。
戸籍住民課長:1~2か月間であり、収納手続きを後回しにしたことが原因の一つである。
小林議員:管理体制の不備が原因ではないか。
戸籍住民課長:管理体制が適切でなかったことを認めている。
小林議員:管理監督者への懲戒処分の内容はどういうものか。
人事課長:停職未満の処分であり、具体的な役職名や氏名は規定により非公表である。
小林議員:収納手続きを溜め込む方法を管理職は認識していたのか。
人事課長:金町区民事務所で混雑緩和のため慣習的に行われていたことを認めている。
小林議員:所長は上司と相談してこの方法を決めたのか。
人事課長:明確な相談記録はなく、歴代所長が習慣的に引き継いだものである可能性が高い。
小林議員:職員の賠償責任と監査スケジュールについて説明してほしい。
総務課長:監査委員に監査を求める準備中であり、現時点で判明した事実をもとに監査を実施予定である。
小林議員:新たな事実が判明した場合はどのように対応するのか。
総務課長:新たな事実が判明した場合は再検討を行う。
小林議員:再発防止策は具体的にどのようになっているのか。
戸籍住民課長:現金収納を即時に行うなど事務手続きを改め、防犯カメラ設置など管理体制の強化を実施している。
小林議員:区民の信頼回復のため、再発防止と議会への迅速な報告を求める。
戸籍住民課長:今後、同様の事態が起こらないよう再発防止策を徹底する。
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